社会学専攻では、私たちの生活の中で身近で当たり前だと思っていることに 疑問を投げかけ、その本質を探っていきます。1年次から演習授業を取り入れて、学問的な「ものの見方」を学びます。入門的な講義により、社会学を学ぶ土台作りをします。2年次では、1年次の学びを一層深めるとともに、社会調査法の勉学がはじまり、問題を自ら捉え解決する能力の養成を目指します。3年次、4年次では、各自の関心に合った演習や調査実習のクラスに分かれ、研究の総仕上げに向かいます。他専攻とも連携し、国内外の現実の社会の動きにアクティブに働きかけていく人材を育成します。
国際社会学科 社会学専攻
社会への「ものの見方」を養い総合的な問題解決能力を高めます
学びのポイント
問題を多面的に捉える眼を養う
国際化、少子高齢化が進む今、女性、子ども、高齢者、障がい者、定住外国人など、多様な人々が尊厳を認め合いながら、年齢や性別、国籍などにとらわれず支え合う社会の創造が求められています。社会学専攻では、それらに関わる最先端の研究成果を学べます。
社会調査に必要な体系的知識を身につける
社会的現実に接して事実を解明するために、量的・質的社会調査の手法を修得。質問紙によるデータ収集や事例研究、調査倫理など、社会調査を行うにあたって必要な知識と姿勢を身につけます。これらの体系的な学習をベースに、各自のテーマの追求へと向かいます。
少人数ならではの綿密な卒論指導
3年次で少人数の演習に分かれ、同じメンバーで2年間学ぶことになります。その間に領域別の知識を深め、個別の問題関心を学問的に磨き上げ、そして4年次には綿密な個別指導がくり返されます。卒業論文は、複数の教員が厳格に面接、審査します。
演習別に分かれて学ぶ「社会調査実習」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」は、演習別に設けられており、演習の教育と連携して行われます。研究領域によって用いられる調査方法は異なるため、よりきめ細かい指導が行われることで、卒業研究の綿密な準備が可能となります。
カリキュラム
国際社会学科 社会学専攻の教育目標
社会学専攻は、当然視された社会のあり方に疑問を投げかけ、社会学的知識、高度なデータ収集・分析力、柔軟な思考力に基づいて、社会問題の解決や、よりよい共生社会の形成に積極的に貢献できる人物の育成を目的とする。
4年間のカリキュラム概要
国際社会学科 社会学専攻の主な授業内容
社会学
社会学概論Ⅰ
代表的な研究領域を概観しながら、社会学の多様な研究対象と方法について基礎的な知識を学び、多種多様なものごとを社会学の観点から見ていくとはどういうことかを考えます。
グローバル社会
国際社会学B
現代社会の重要な徴候としてのグローバル化について、労働力、企業組織、コミュニケーション、消費、都市など多様な側面に注目しながら、グローバル化の下での国民社会、国民国家、ナショナリズム、世界システム、サブ・ナショナルな単位と関わるエスニシティ、地域主義の動向を考察します。
女性学・ジェンダー
福祉社会学A
社会問題や生活問題が生起する社会経済的背景やこれらへの社会的対応である社会保障や社会福祉政策を、ジェンダーアプローチによって検討します。福祉社会学とジェンダーのかかわりを概説した上で、家族・労働、児童福祉、母子・父子福祉、高齢者福祉などの各論的テーマを考察します。
少子高齢化
福祉社会学B
急速に進む日本の少子高齢社会を理解し、今後の課題を考えます。少子化と高齢化、エイジングの社会学、職業からの引退と社会参加、高齢者と経済生活、高齢者と家族などの観点から、個人レベルの加齢が社会的集団に与える影響、地域社会や社会政策の課題などについて学んでいきます。
福祉社会
福祉社会学C
社会福祉の概念、福祉の発展の歴史、世界各国における福祉の現状と福祉社会の課題を学びます。国際比較の視点や具体的な事例紹介によって理解を深め、現代社会における福祉社会の課題、福祉社会の目的、福祉社会と市民参加の問題などを考察していきます。
社会調査
社会調査法A・B・C
社会学では、社会に対する研究者の価値関心、社会を説明する理論、社会を把握する調査方法の三者が密接に関係します。古典的研究や現代的研究を参考に社会学と社会調査の関係について考え、量的調査、質的調査の基本的な考え方、調査の構想からデータの集計、分析までの一連のプロセスを学びます。
産業と企業
経営社会学A・B
現代の企業経営を社会学的視点から見ていくことによって、社会と企業の関係を考え、産業や経営への理解を深めることを目標とします。経営社会学の理論と方法をもちいて、企業集団の諸形態、企業経営の組織構造、経営管理と経営者、人的資源の管理と開発、市場とマーケティングなどのテーマを扱います。
青年文化
社会意識論
いじめ、友人関係、少年犯罪、ニート、SNSなど、社会心理・文化・メディアをめぐるトピックについて事例的、理論的に考察し、「よい子」であること、「世界で一つだけの花」を見つけること、「やりたいことをやる」こと、「自分を見つける」ことなど、日本社会における価値意識(幸福感、イデオロギーなど)について考えます。
専任教員(専攻の科目を担当する教員)
2017年度卒業論文題目より
- ・差別と排外の国際社会学 ―国境を越えた人々の声とアイデンティティ形成―
- ・勤勉・努力主義・仕事観 ―働きすぎへ向かうメカニズムとプロセス―
- ・障害者の社会的世界 ―障害者理解への道程―
- ・サードプレイスとしての地縁 ―西荻フィルターの向こうへ―
- ・墓を継ぐ ―現代における継承の問題―
- ・高齢者の社会参加活動とその背景 ―「何となく」で見つけた生活の軸と生きがい―
- ・現代日本における社会的孤立 ―孤独死の予防と対処―
- ・2.5次元の社会学 ―循環する愛とメディアミックス―
- ・道徳と不道徳のあいだ ―不倫からみる現代の若者の境界線―
- ・東南アジアにおける国際協力と社会資本形成 ―インフラ整備の課題と社会的影響―
- ・「メイク」する ―雑誌『non-no』からみる化粧の目的と意味―
- ・国籍は必要か ―日本の国籍問題から考える―
- ・祭りと地域づくり ―祭りで地域につながりを生むことはできるのか―
- ・よく生きることの社会学 ―モデルのない時代における若者の人生観―
- ・少年の語られ方 ―親殺しから、「成長物語」なき寛容社会へ―
- ・体毛処理の社会学
- ・現代日本における移住労働者の生活様式と意識 ―東アジア・東南アジアの地域間移動を中心に―
- ・再魔術化する社会
- ・現代アートの社会学 ―裏側からみるアートの力―
社会学専攻で取得可能な資格
社会学専攻の学生は、所定の課程を修了することで、以下の資格を取得できます。
また法にもとづく免許制度はありませんが、日本語教員養成のための課程も設置しています。
学科 | 専攻 | 教育職員免許状 | 学芸員 | 日本語教員養成課程 | 社会調査士 | 認定心理士 | |
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中学校教諭一種 | 高等学校教諭一種 | ||||||
国際社会学科 | 社会学専攻 | 社会 | 地理歴史・公民 | ● | ● | ● | ― |
大学紹介
学部・大学院
- 現代教養学部2018
- 現代教養学部2017
- 大学院合同研究科会議議長メッセージ
- 大学院 - 人間科学研究科
- 大学院 - 理学研究科
- 特別聴講学生制度(博士前期課程対象)
図書館・各種センター
研究
-
研究所・学会
- 比較文化研究所
- 女性学研究所
-
丸山眞男記念比較思想研究センター
- 概要
- 講演会・公開授業等
- 丸山眞男文庫
-
刊行物
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第14号(2019年6月)トリの『センター報告』14号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第13号 (2018年3月)
- 全事業報告書
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第12号 (2017年3月)
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第11号 (2015年3月)
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第10号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第9号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第8号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第7号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第6号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第4・5号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第3号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第2号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第1号
- Maruyama Masao Center for the History of Ideas(英文)
- 丸山真男纪念比较思想研究中心(中文版)
- 東京女子大学学会
- 研究プロジェクト
- 外部資金〜研究助成・補助金・受託研究・共同研究等〜
- 東京女子大学での研究を希望する方へ
- 公的研究費等の適切な使用・管理のための取組
- 研究活動における不正行為防止の取組
- 利益相反マネジメント
- 人を対象とする研究に関する倫理審査
- 学会開催