理学研究科 数学専攻 博士前期課程
博士前期課程における学びの最初の大きな目的は、理論数理学分野・応用数理学分野それぞれにおける既存の理論を確実に修得することです。前期課程においては既存の理論を修得すると同時に、数理科学の分野の様々の事象について学び、数学と諸分野との交流に関する幅広い視野を養います。
理論数理学分野
理論数理学分野では、まず、代数学、幾何学、解析学などの純粋数学の現代的な理論を学びます。例えば、代数学の群論、組合せ論、暗号理論、符号理論、幾何学の結び目・絡み目の理論、空間グラフの理論、解析学の関数解析、調和解析、微分方程式論などです。これらの理論とともに、その理論の様々の応用を学びます。
応用数理学分野
応用数理学分野では、確率論、統計学、理論物理学、数理化学、情報学などの分野の様々の現象と、それに対する理論を学びます。例えば、理論物理学分野の波動の現象とそれに対する微分方程式の理論、化学の分野におけるスぺクトル解析の理論と応用、コンピュータによる数値計算の誤差の問題と対応する誤差理論、などです。
理論数理学分野においても応用数理学分野においても、既存の理論を修得するとともに、数学と諸分野との交流について幅広く学び、既存の理論を発展させて、最前線の研究にせまることを目指します。
カリキュラム
専任教員
数学専攻(博士前期課程) 修士論文タイトル
2019年度
〔理論数理学分野〕
- ・ハンドル体結び目の順序と多変数Alexanderイデアルに関する注意
- ・On edge-homotopy classes of a spatial embedding of D₃ with the same α-invariant
- ・斉次一次相関数の振動項をもつフーリエ乗子作用素について
〔応用数理学分野〕
- ・ハイブリッドロケットエンジン概念設計を対象とした多目的最適化問題に関する研究
- ・正則変動関数についてのTauber型定理とその応用
2018年度
〔理論数理学分野〕
- ・あるハンドル体結び目群の間の全射準同型の非存在性とAlexander不変量について
- ・代数的整数論とその応用
- ・Generalizations of the Conway‐Gordon theorems and intrinsic knotting and linking on complete graphs
〔応用数理学分野〕
- (該当者なし)
2017年度
〔理論数理学分野〕
- ・代数曲線の特異点とPuiseux級数
〔応用数理学分野〕
- ・ネットワーク遅延を考慮した移動ロボット遠隔ナビゲーション手法
2016年度
〔理論数理学分野〕
なし
〔応用数理学分野〕
- ・スペクトル解析による音声認証に関する研究
2015年度
〔理論数理学分野〕
- ・線形連立常微分方程式の確定特異点
- ・線形常微分方程式のみかけの特異点
〔応用数理学分野〕
- ・生体情報解析による日常生活における長期的なストレス状態推定手法
2014年度
〔理論数理学分野〕
- ・多項式環の局所化と局所コホモロジーの重複度
- ・二次体の整数論について
- ・作用素の実補間定理について
〔応用数理学分野〕
- ・A study on fast and efficient algorithms for solving ill-conditioned linear systems
- ・感染症流行の数理モデリングとシミュレーション
数学専攻 博士前期課程で取得可能な資格
専攻 | 中学校教諭専修免許状 | 高等学校教諭専修免許状 |
---|---|---|
数学専攻 | 数学 | 数学 |
上記の専修免許状を取得するためには、当該免許教科に係る中学校・高等学校経論1種免許状授与の所要資格をすでに有していることが条件となります。その上で本学大学院において所定の単位を修得し、修了年度に免許状授与申請をすれば、本学大学院博士前期課程終了時に上記の免許状を取得することができます。
修了後の進路
中学校・高校の教員、企業の研究所等で、本人の希望がほぼ100%実現しています。