まず、私たちの暮らしがいかに謎で満ちあふれているかに気づいてもらうことから出発します。そうすると、高齢化、移民、貧困、差別、福祉、育児、介護、労働といった事柄はもちろん、アート、趣味、スポーツ、身体や感覚、衣食住など、ありとあらゆるものに問題が存在していることがわかってきます。次のステップは、さまざまな情報を集めてじっくり分析できるようになること。そして最後に、自分なりの答えを出し、他者と共有することをめざします。多様な講義で社会を多面的にとらえる力を養いながら、演習や実習では、問いかけの力と読み解きの力、情報収集の力、答えを導き出す力、導き出した答えを他者に伝えていく力を磨きます。
国際社会学科 社会学専攻(2018年度以降入学者用)
ふだんは気づかないけれどもいつもそこにある巨大な謎、それが社会
この強敵に挑む力を鍛え上げる
学びのポイント
わけのわからない世界に、一筋の道をつける
21世紀を迎え、激動する世界情勢と同様、私たちの生活も大きく揺れ動いています。何が大事なことなのか。自分はどう働いていくか、どう生きていくか、誰を好きになるか/ならないか。要するに、自分は誰か、どんな社会に生きているのか…。謎だらけのこの時代に、本当に問うべき問いを見つけ、答えを探していきます。
問いを立てる力と社会調査の技法が武器になる
社会学専攻では多岐にわたる領域について多くの講義を用意していますが、大切なのは「いろいろなことを学ぶ」ことよりもむしろ、「いろいろなことに謎を見いだし、それを解き明かしていく」ことのほうです。このような考えのもと、講義では知識を、演習や実習では自らこの世界に働きかけていくための力を身につけます。
カリキュラム
トピックス
・社会へのあなたの関心・無関心を受けとめ、「学問」していきます
・さまざまな質的・量的社会調査の技法を深く学べます
・「社会調査士」の資格取得を強力にバックアップします
国際社会学科 社会学専攻の教育目標
社会学専攻は、社会学の知識、高度なデータ収集・分析力、柔軟な思考力に基づいて、既存の制度・習慣・思考様式に疑問を投げかけ、よりよい共生の実現や社会問題の解決に向けて積極的に貢献できる人物の育成を目的とする。
4年間のカリキュラム概要
カリキュラムの特色
- ① 最先端の研究成果を学ぶ科目
- ② 行動的で実践的な研究方法を学ぶ科目
- ③ 少人数での演習科目
- ④ 卒業研究
身につく力
- ・人と社会を観察して解決課題を見出す力
- ・出来事や統計数値から社会の仕組みと変化を読み解くカ
- ・証拠を示し筋道を立てて人に説明するカ
主な授業内容
社会学
3年次演習(社会学)Ⅱ
3年次演習では、それまで学んできた社会学の基礎を踏まえて、個別の専門領域に関する学問的考察を深めていきます。また、それと並行して、文献探索・プレゼンテーション・ディスカッションなどの技法を修得します。
社会学
現代社会論
社会学独自の現代社会のとらえ方について、理論や具体的な現象に関する研究を素材に学ぶとともに、現代社会で起こっているさまざまな現象や問題に対して、社会学を用いて切り込んでいきます。
女性学・ジェンダー
福祉社会学
社会問題や生活問題が生起する社会経済的背景やこれらへの社会的対応である社会保障や社会福祉政策を、ジェンダーアプローチによって検討します。福祉社会学とジェンダーのかかわりを概説した上で、家族・労働、児童福祉、母子・父子福祉、高齢者福祉などの各論的テーマを考察します。
女性学・ジェンダー
労働社会学II
学卒後のキャリアの変化、ワーク・ライフ・バランス、雇用形態と働き方の多様化など、働くことをめぐるさまざまな論点について性別という観点から考察する中で、現代の労働世界が抱える問題点や、両性にとって労働世界をよりよいものにしていくための手掛かりを探ります。
グローバル社会
国際社会学
現代社会の重要な徴候としてのグローバル化について、労働力、企業組織、コミュニケーション、消費、都市など多様な側面に注目しながら、グローバル化の下での国民社会、国民国家、ナショナリズム、世界システム、サブ・ナショナルな単位と関わるエスニシティ、地域主義の動向を考察します。
グローバル社会
比較社会学
人口の増減と移動、工業化・脱工業化など社会変動と関連づけながら、人々の価値観やライフスタイルの多様性について学びます。農村から都市への人口移動とともに工業化が進む中国、脱工業化のなかで海外から移住労働者を受け入れる韓国を対象に考察します。
産業と組織
組織社会学
現代の組織経営を社会学的視点から見ていくことによって、社会と組織の関係を考え、産業や経営への理解を深めることを目標とします。組織社会学の理論と方法をもちいて、企業集団の諸形態、企業経営の組織構造、経営管理と経営者、人的資源の管理と開発、市場とマーケティングなどのテーマを扱います。
少子高齢化
ライフコースの社会学
急速に進む日本の少子高齢社会を理解し、今後の課題を考えます。少子化と高齢化、エイジングの社会学、職業からの引退と社会参加、高齢者と経済生活、高齢者と家族などの観点から、個人レベルの加齢が社会的集団に与える影響、地域社会や社会政策の課題などについて学んでいきます。
少子高齢化
家族社会学Ⅱ
世界規模で進む少子化について、その実態や背景にある社会的変化、さまざまな国々の対応とその効果を確認することを通して、現代家族の置かれた状況や子どもを持つことに関する人々の経験を把握するとともに、今後、家族という社会的集団を社会はどう位置づけていくべきかを考えます。
社会調査
社会調査法A・B・C
社会学では、社会に対する研究者の価値関心、社会を説明する理論、社会を把握する調査方法の三者が密接に関係します。古典的研究や現代的研究を参考に社会学と社会調査の関係について考え、量的調査、質的調査の基本的な考え方、調査の構想からデータの集計、分析までの一連のプロセスを学びます。
社会調査
社会調査実習Ⅰ・Ⅱ
学生自身の問題関心を考慮したテーマの下、現代社会の問題につき、インタビュー調査やフィールドワーク、アンケート調査、既存の調査の再分析などを組み合わせ、解明を試みます。調査の企画から実施、データ分析、報告書の作成まで、学生自身で取り組みます。
福祉社会
臨床社会学
社会学は、単に社会について考察するだけでなく、社会の生成や再生の現場に立ち会うことも志向します。そのような視点を特に強く打ち出す臨床社会学の視点を、生と死をめぐる人間の脆弱さ、病や障害、さまざまな生きづらさや困難を抱える人々の経験、および医療や福祉、共助などによる支援と支え合いの現場をめぐる諸問題を扱うなかで理解します。
福祉社会
福祉社会学
社会福祉の概念、福祉の発展の歴史、世界各国における福祉の現状と福祉社会の課題を学びます。国際比較の視点や具体的な事例紹介によって理解を深め、現代社会における福祉社会の課題、福祉社会の目的、福祉社会と市民参加の問題などを考察していきます。
文化
文化社会学
社会学では、人と人とを結びつけたり、隔てたりすることで、一定の社会秩序をもたらす規範として「文化」をとらえます。この視角を基本に据えながら、文化と社会の関係、文化の階層構造、特定の文化のもとでの生きられた経験、マイノリティ文化などのキーテーマの検討を通じて、現代社会の文化について批判的に考察する目を養います。
専任教員(専攻の科目を担当する教員)
2019年度卒業論文題目より
- ・現代社会におけるロボットの家族化
- ・児童虐待問題にみる子育て政策の課題
- ・猫と単身社会 ―高齢者にとっての家族―
- ・葬送儀礼の今日的意義
- ・世代間で連鎖する子どもの貧困と社会的支援
- ・地方都市の社会学 ―都市の骨格と物語にみる宇都宮市のにぎわい―
- ・「ひとり」の社会学 ―「ぼっち飯」と若者の食事の個人化―
- ・コミュ障の社会学的考察 ―コミュ障という言葉の使用例を通して見た意味世界に着目して―
- ・パパ活の社会学 ―女子大学生はなぜパパ活をするのか―
- ・女子校生のオタクライフ―女子だけの環境がもたらすオタク活動へのメリット―
- ・筋肉と現代女性 ―健康はお金で買う時代―
- ・鉄道一人旅の孤独と自由 ―非現実が生み出す世界への対価―
- ・土産の社会学 ―土産に期待する役割―
- ・メディアとしてのYouTube ―なぜYouTuberは人気となったのか―
- ・女児向けアニメにおけるジェンダー観―『プリキュア』シリーズにおける男性表象を通して―
- ・職場におけるダイバーシティとインクルージョン ―ケア責任に焦点を当てて―
- ・ワーク・ライフ・バランスの観点からみたIoTの可能性―介護に科学技術は活かせるのか―
- ・障がい者の就労とハンディキャップを包摂する社会
- ・移住労働者によるケア労働とコミュニティ形成の課題―フィリピン女性と子どもの置かれた日本社会の実態―
- ・会社に属さない人の自由と葛藤 ―正しい働き方を考える―
- ・アルコホリズムの社会学的考察 ―大学生のインタビューから見た飲酒文化の変容―
- ・民泊のつながり ―社会問題を解決する手段としての民泊―
- ・環境問題の社会学―神奈川県海老名市のごみ有料化における市民の合意形成―
- ・グローバル化における共生とコスモポリタニズム ―現代社会の問題に取り組む思想―
社会学専攻で取得可能な資格
社会学専攻の学生は、所定の課程を修了することで、以下の資格を取得できます。
社会調査士
教育職員免許状(一種免許)
- ・中学校(社会)
- ・高等学校(地理歴史・公民)
学芸員
大学紹介
学部・大学院
- 現代教養学部2018
- 現代教養学部2017
- 大学院合同研究科会議議長メッセージ
- 大学院 - 人間科学研究科
- 大学院 - 理学研究科
- 特別聴講学生制度(博士前期課程対象)
図書館・各種センター
- 図書館
- キャリア・イングリッシュ・アイランド
- エンパワーメント・センター
- CALL学習センター
- 心理臨床センター
- キリスト教センター
- ボランティア・ステーション
研究
-
研究所・学会
- 比較文化研究所
- 女性学研究所
-
丸山眞男記念比較思想研究センター
- 概要
- 講演会・公開授業等
- 丸山眞男文庫
-
刊行物
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第15号(2020年7月)トリの『センター報告』15号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第14号(2019年6月)トリの『センター報告』14号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第13号 (2018年3月)
- 全事業報告書
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第12号 (2017年3月)
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第11号 (2015年3月)
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第10号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第9号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第8号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第7号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第6号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第4・5号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第3号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第2号
- 丸山眞男記念比較思想研究センター報告 第1号
- Maruyama Masao Center for the History of Ideas(英文)
- 丸山真男纪念比较思想研究中心(中文版)
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