1998年 文学研究科修士課程修了
日本大学生産工学部准教授
Vol.9 小谷幸さん
「なんでこんなに不平等なの?」
学部時代、ホッケー部に所属し、勉強というよりホッケーに情熱を注ぎ、卒業後は普通に就職しようと考えていた。しかし、就職活動を通じて男女の不平等さに驚き、女性労働に興味を抱くようになった。そこで東京女子大学大学院修士課程に進学し、女性の労働問題に取り組む個人加盟の労働組合を対象に研究を進めた。
早稲田大学大学院博士課程に進学後「労働のことをやっている割には就職したことがないのはどうなのかな?」と考え、また代表的な女性職である看護職に関心もあったことから、日本看護協会という看護職の職能団体に4年勤務した。
現在は日本大学で教鞭をとりつつ、4歳と0歳の男の子の子育てをしている。
育児とキャリアの両立のため只今、大奮闘中!
「夫と双方の両親には大変感謝しております!」
夫はジェンダー・センシティブで現在育児休業中である。
小谷先生曰く、夫のほうが子どもの面倒を見るのがうまい。
「私は授乳してしか寝かしつけが上手くできないのに、夫が抱っこするとすぐに寝る。」という。
「合わせて1年がギリギリかな…」
一人目の子どもの時には、半年で職場に復帰している。
「私自身、妹がいてとても嬉しかったので、できれば子どもが二人欲しかった。当時はまだ勤続2年目で、ここで育休を1年取ってしまうと職場に迷惑をかけ、次に取りにくくなると思った。子ども一人に対して半年ずつ育児休業を取って、合わせて1年ならまだギリギリかなと思った。」
復帰直後は、車で30分のところに住む自分の両親にはもちろん、北海道に住む夫の両親にも泊まりこみで手伝ってもらっていた。
しかし半月後、夫の両親が帰ると
「もう本当に!本当に!立ち行かなくなってしまって!!!」
急遽、再度夫の両親に上京してもらい、結局その学期が終わるまで一緒に暮らしてもらった。今は小谷先生の両親と同居して、何かと助けてもらっている。
小谷先生は昨年、二人目の子どもを出産し、この1月に育児休業から復帰されたばかり。現在は育児休業中の夫と同居の両親のサポートを得ながら、家事・育児・教育・研究をなんとか切り盛りしている。
「バランスが大切」
育児をしつつ、教育に学内業務、そして自分の研究を進める。研究者は、そこのバランスが大変だという。目の前にあることで一杯一杯になってしまい、なにかと研究は後回しになってしまう。そんななか恩師に
「長い人生です。いずれ研究に専念できる時期も来ますから、あせらずゆっくりと研究の足場を作っていけばよいと思いますよ。少しずつ、少しずつ。」
というメッセージを頂き、今でも心に残っているという。
これからは「研究と実践の融合」
個人加盟の労働組合を研究対象とする小谷先生は、今後は研究と実践の融合が大切だと語られる。
小谷先生、直近の著書。
つまりこれまでの研究では対象者に対し、かなり距離をおいて「自分と違うもの」として研究していたが、これからは研究と実践の融合が進んでいくだろうと話されていた。
社会問題に対して「自分はよく知らない。当事者じゃないけど、こういう感じじゃないですか。」という一歩引いたスタンスはもう許されない、
「じゃあ自分はどうする?自分はどう貢献できるのか?」
というところを大切にしてほしいと先生は語る。
インタビューを終えて
小谷先生には、ここには書ききれない興味深いお話を沢山伺うことができました!そのなかでも先生の調査先の個人加盟労働組合で合言葉のように語られており、先生自身も折に触れ意識するようになった「出すぎた杭は打たれない」というお言葉は心に響きました。「出る杭は打たれる」と怯え動けずにいるより、出すぎてしまえば打たれないとポジティブな気持ちで取り組む姿勢は大切だと感じました。
インタビューのご機会をいただき、誠にありがとうございました。
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