2011年3月11日に発生した東日本大震災は、日本のみならず世界に衝撃を与えました。この記録を後世に残すために、ハーバード大学では「2011年東日本大震災デジタルアーカイブ」の構築を進めています。一見、丸山眞男とはまったく関係のないプロジェクトのようにも思えますが、このアーカイブを構築することで、市民が参加できる公共の場を作り出せるのではないかと私達は考えています。この根底には、丸山がその必要性を説いていた市民社会的発想があると言えるでしょう。
本講演は、このアーカイブを構築することになった理由や、このアーカイブがどういったものかを、「繋がり」「発見」「参加」という三つのキーワードを通して説明します。そして、今後の課題をあげながら市民が参加できる開かれた社会へのプロセスやその過程で生じる問題を、考えたいと思います。