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新入生のみなさんへ~教員からのメッセージ

東京女子大学比較文化研究所 和田 博文 教授(所長) 熊谷 智子 教授(副所長)【NEW!】


新入生の皆様 ご入学おめでとうございます。東京女子大学には、比較文化研究所があります。アメリカのハーバード大学燕京研究所の支援の下に、1954年に設立された、「比較文化」を冠した日本で最初の研究所です。


この研究所は、人文・社会・自然の各分野で比較文化的研究を行い、比較文化やキリスト教文化の歴史に関わる資料を収集しています。特にちりめん本は、日本で有数のコレクションです。ちりめん本というのは、木版多色刷りの和紙で作った絵本で、日本文化を欧米に紹介する目的で、1885年以降に出版されました。現在ではとても貴重な文化財で、手に取ることは難しいのですが、比較文化研究所ではデータベース化して、誰でも見られるようにしています。研究所のホームページに入って、「蔵書・所蔵資料」の「ちりめん本」をクリックし、その次に「デジタルアーカイブ」をクリックしてください。198冊の一覧が出てきます。日本昔噺の「桃太郎」の場合は、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・スウェーデン語など、11冊を所蔵しています。タイトルをクリックすると、本の表紙が登場します。色彩が鮮やかで、とても美しい表紙です。「PDFファイルはこちら」をクリックすると、全頁の画像を見られます。絵本ですから、やさしい言葉で書かれていて、楽しく読み進められます。文化財を使って外国語に触れてみる――こんな贅沢な勉強法は、めったにありません。外出を控えて、自分の部屋にいるときに、おすすめです。


比較文化研究所は4号館の4階にあります。総合教養科目「比較文化」の参考文献や、国際英語学科と人文学科日本文学専攻科目「表象文化A」「比較文化A」の参考文献が並んでいるので、学生のみなさんは自習や、レポートの準備をすることができます。コピー機を使いたいときは、研究所のスタッフに声をかけてください。


皆様が参加できる行事も用意しています。今回は延期になっていますが、本研究所では前期に公開講演会を行います。今年は新聞やテレビでおなじみのピーター・J・マクミラン先生が、「和歌の英訳から見た日本文化の素晴らしさ」という講演をしてくださる予定です。後期は本学の先生による、ティー・レクチャーを開きます。茶菓子付きで、興味深い話を楽しめます。去年は青木深先生が「自転車乗り一座「横井ファミリー」の20世紀」という話を、パワー・ポイントを使いながらしてくださいました。


比較文化研究所では、各専攻の比較文化に関わる優秀な卒論に、昨年から比較文化研究所賞を授与しています。初年度は6人の方の卒論が、受賞対象になりました。他者を知ることを通して、自己の姿がはっきりしてきます。異文化に触れることで、自らの文化を相対化することができます。4年間かけて、研究したいテーマに取り組んでみてください。


大学に入構できるようになって、皆様と出会うことを、私たちは心待ちにしています。

ちりめん本

ちりめん本

東京女子大学比較文化研究所ホームページ

東京女子大学比較文化研究所所蔵ちりめん本コレクション


(2020年5月14日更新)



総合教養科目運営委員長・全学共通カリキュラム(健康・運動科学) 曽我 芳枝 教授 【NEW!】


みなさん、こんにちは。私は、総合教養科目の<女性のウェルネス領域>を担当している曽我芳枝です。

風薫る5月となりました。爽やかな風になびく新緑や花々は今年も何事もないように美しい姿を見せています。しかし今、世の中は一変しており新型コロナウィルス感染症対策のために緊急事態宣言が延長され、暫くはステイホームを余儀なくされています。体調はいかがですか、ストレスは溜まっていませんか。


先日5日からようやく授業が始まり、待ちに待った新しい知識を勢いよく吸収されていることと思いますが、一方で初めての遠隔授業で戸惑うことが多く、誰もいない空間でやりきれない思いをしているかもしれません。そのような毎日を過ごしているみなさんに、ウェルネス担当の教員としていくつかの軽い運動を提案したいと思います。

日本人は以前から「座りすぎ」と言われ、その生活習慣から寿命を縮めているとさえ言われてきましたが、ステイホームを続けている今、さらに長く座り続けていることが心配されます。授業中でもいいのです、30分に一度は席を立ち、次の事をローテーションを組んでやってみましょう。


    1.かかとの上げ下ろしをして腓腹筋を使いましょう。
    2.スクワットも回数を決めて行い、大腿筋・大殿筋を動かしてみてください。
    3.前かがみになっている身体を起こし、大きく背伸びをして深呼吸をしましょう。血液の循環がよくなります。
    4.肘を曲げマエケンのように交互にぐるぐる回し、肩甲骨を動かしましょう。緊張がほ<ぐれ肩こりも解消することと思います。

それから戸外に出て新鮮な風を身体に受けながら「ウォーキング」や「ジョギング」をするなど有酸素運動を心がけましょう。柔らかい日差しを浴びると、精神の安定に大きく関わりのあるセロトニンが増加します。自宅の周りの見慣れた地域にも新しい発見があるかもしれません。 心と身体は一つのものです。体調不良になると心が沈み、病むと身体に不具合が生じます。マインドフルネスという療法を知っていますか。心身を整える手段として大きな効果が期待されます。心を無にするというよりも、あるがままの自分を認め受け入れることのできる大らかさが養われます。ここでは、詳しく説明できませんが、ネット上等で検索し実践してみてください。 そして心配事、困ったことはため込まないで家族や親しい人たちとのコミュニケーションを図りましょう。このような体験は貴重なことと捉え、人とのつながりの有難さや温かみの大切さを実感できる方法を探ってみて下さい。 「明けない夜はない」という言葉を目にしました。一緒に乗り越えていきましょう。

(2020年5月11日更新)



国際英語学科国際英語専攻 Andrew Houwen 准教授 【NEW!】


In April 1665, London was visited by an epidemic of bubonic plague, which had spread there from the Netherlands. The famous diarist, Samuel Pepys, recorded his reaction. On 30 April, he wrote in his diary: "Great fears of the sicknesse here in the City, it being said that two or three houses are already shut up. God preserve us all!" In June, he wrote that the plague "encreases mightily." "How sad a sight it is to see the streets empty of people," he observed two months later. Like today, people kept to their houses; many shops were also shut. And yet, despite his "fear" of the epidemic for his own and his family's and friends' lives, he noted that "I have never lived so merrily as I have done this plague-time, by my Lord Brouncker's and Captain Cocke's good company." Many of us are facing similar anxieties for ourselves and our loved ones at this time. But through friendship and kindness to others we can survive such difficulties "merrily," as Pepys did. Although we are sad that you cannot begin university life with classes on campus, we can still keep each other's company by having online lessons thanks to the wonders of modern technology. In this way, we can all come through this challenge together, stronger and wiser than before.

(2020年5月6日更新)



国際英語学科国際英語専攻 Vivian Lin 准教授 【NEW!】


My name is Vivian Lin, and this will be my second year of teaching at TWCU. I am an Associate Professor for the Department of International English. I work with issues of migration, gender, and media. In particular, I focus on the telling of women's stories from around the world through media literacy and education. I would like to offer a warm welcome to our incoming students to your new "home" for the next few years. Although we are currently without our physical "home" of the beautiful TWCU campus, we will still create our academic community through innovative teaching and learning from within our individual homes. In these unprecedented times, we have suddenly found ourselves staying at home in order to protect others. Have you gained any new skills during this period of isolation? Baking bread, muscle training, playing video games, excessive eating and sleeping... how about learning a language? After the coronavirus pandemic is over, the airports and borders will open again. Where will be the first place you would like to go? While we wait for the return to our freedom of movement, let's work to improve our abilities of communication in order to create better connections with people here and abroad.

(2020年5月6日更新)


人文学科日本文学専攻 光延 真哉 教授


新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。 広報委員長の光延真哉です。

教員としては、人文学科日本文学専攻に所属し、江戸時代の文学を教えています。


江戸時代と言えば、最近SNS等で話題になっている「アマビエ」という妖怪をご存じでしょうか?幕末の弘化3年(1846)に出版された瓦版(今の新聞みたいなもの)にこの妖怪が出ていることが少し前にメディアで紹介されました。人魚みたいな、鳥みたいな恰好をした長髪の奇妙な妖怪で、何でも、肥後国(今の熊本県)の海に現われ、病が流行したら、自分の姿を絵に写して人々に見せろと言ったとか。それで今、絵心のある人が次々とこの「アマビエ」の絵を描いてSNS上にアップしています。江戸が生んだゆるキャラですね。

この妖怪には、少しでも世の中を明るくできればという多くの人々の願いが込められています。そしてその思いは、170年前の江戸時代でも、新型コロナウィルスの感染拡大で殺伐としている現代でも変わりません。 この「アマビエ」の例のように、古いもののなかには、今の我々がよりよく生きるための叡智が無限に隠されています。人文学はそうした人類の悠久の営みを見つめ直し、そのなかから新たなものを発見していく学問です。


人文学科に入学した方々はもちろん、他の学科のみなさんも、この学問が持つ大きな力を知ってもらえればと思います。それができるのが、本学のリベラル・アーツ教育です。これからの4年間の学びを通じて、みなさんが大きく成長することを教員のひとりとして期待しています。(2020年4月13日更新)


心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻 加藤 尚吾 准教授


新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私は心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻の加藤尚吾です。


現在、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、私たちは、国や自治体、メディアなどの発信する数値データを目にすることが多いと思います。これからのAI時代を生き抜くために、学科専攻、専門分野にかかわらず、すべての大学生が身につけなくてはならないスキルは、データを正しく扱うことができるスキルです。


新入生の皆さんに本年度の前期に身につけてほしいことは、あることを理解するためにはどのようなデータが必要であるか、ということを考える習慣です。中途半端なデータでは物事を正しく理解することはできません。中途半端なデータとは、たとえば、あることを理解させるために示されたデータがそもそも関係のないデータばかりであったり、収集時になんらかの偏りがあったデータであったり、ということです。


本学は創立からずっとリベラル・アーツ教育をしています。本学に入学された皆さんは授業やゼミで幅広い知識とスキルを身につけ、どんな困難なときでもそれらを結びつけることによって知性となり、真実が見え、冷静に考え、自信をもって挑むことができるようになります。 まずは、世界中が新型コロナウイルスに悩まされ不安な毎日のいま、示されたデータを鵜呑みにせず、データの周辺も含めて冷静な目で見つめ、そこからわかることはなにか、わからないことはなにか、常に自分で考えることを心がけてください。

考える習慣は、きっと、これからの時代を生きる力を築くための土台になってくれると確信しています。

(2020年4月13日更新)


人文学科歴史文化専攻 柳原 伸洋 准教授


新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。

歴史文化専攻の教員で、ドイツ現代史を研究している柳原伸洋です。


「入学おめでとう」と直に声をかけられないのは残念なかぎりです。ただし、大学での学びは人と接しながら成長していくフェーズと、書籍を読解したり、レポート・論文を書いたりするという沈思黙考のフェーズの両方があります。今は、後者の「籠もって考える時期」だと捉えて、学びの火(意欲)を絶やさずに継続していきましょう。


歴史文化専攻では、時間をかけてじっくりと「歴史学」を学びます。各教員は歴史学のエキスパートです。まずは、インターネットで「東京女子大学+歴史文化専攻の教員名」でググってください。別のタブを開けて今すぐに、です。それぞれの専門や研究内容、書籍・論文などが出てくるでしょう。私はたまに「炎上」案件に関わったりしていますが、そんな情報を知ったりするのも、籠もってネット生活をする愉悦であることは否定できません。


検索しましたか?教員は多くの場合、極めて狭いと思われるようなテーマの研究をしています。とくに学術論文は「重箱の隅」感が漂っているかもしれません。もちろん、大学の講義で、教員は専門分野だけに特化した歴史学を語るわけではありません。歴史学知とは、専門的な狭いトンネルを通ると、その奥に「社会や世界全体の見え方が変わる」ような知の沃野が拡がっていて、そこにたどり着く知的な楽しさがあります。「『沃野』って何?」と思った人、これも別タブを開けてググってください。


先ほど、歴史文化専攻では「歴史学」を学ぶと書きました。「歴史知識」ではなく、「歴史学」というのがポイントです。もちろん知識も不可欠なのですが、出来事と出来事との関連など、過去の社会を再現するための「思考法」を身につけることが重要です。「知識」は使わないと忘れてしまいますが、思考法は仕草や振る舞いに近く、色々と応用可能ですし、卒業後も使っていくことができます。これが、高校までの日本史・世界史テストとは大きく異なる点です。


では、歴史学知とはどのような知のあり方なのでしょうか?最後にその一端をお伝えしましょう。
ミネルヴァのフクロウは、日が沈まんとする夕暮れに飛び立つ。 突然の「無駄にかっこいい引用」で驚かれたかもしれません。ミネルヴァは知の女神であり、フクロウは知の象徴です。歴史学は人びとの活動(現在)の終わったあとに、知を蓄積・更新するために飛び立つ学問です。なお、これが誰の箴言なのかも検索してみてください。 もちろん、日々を生きるために情報を集めて知識を蓄えることは社会・生命活動を維持するためには必要な行為です。対して歴史学は、あなたのなかに「もうひとつの知のあり方」を生み出す学問となるでしょう。「歴史学士」としての人格とでも申しましょうか。


目下、日々の情報にストレスを感じていないでしょうか。私は、本エッセイでこれまで「ウイルス」という語を一度も使いませんでした。現在、この単語が社会を満たし、あなたや身の回りの人に心身のストレスを与えているかもしれません。そこで「もうひとつの知のあり方」を示したかったのです。夕暮れに飛び立つための方法を、本専攻では伝えていくつもりです。

(2020年4月13日更新)



東京女子大学女性学研究所 所長 唐澤真弓, 副所長 上野加代子, 専任准教授 中川まり


新入生のみなさん ご入学おめでとうございます

東京女子大学には、女性学研究所があります。1990年に、女性学を検討する研究所として設置されました。今年でちょうど30周年を迎えます。新入生のみなさんに満開の桜の樹のもとの研究所をご紹介できずにいること、大変残念に思っています。


この研究所では、ジェンダーに関する多様な問題に、学際的な視点からの研究として取り組み、みなさんの学びをサポートしています。学生のみなさんには、国内外の専門家による公開講演会を開催し、研究の最前線に触れていただくことや、学生と教職員を対象にした「Woman's Cafe(ウーマンズカフェ)」に参加していただけます。たとえば、ウーマンズカフェでは、教員や専門家によるショートレクチャーを聴き、ジェンダーについて学生と本音で意見を交換しています。今年度最初の「ウーマンズカフェ」(渡辺隆行本学教員「Xジェンダーの被服体験」)を6月17日にZOOMで開催します。女性学研究所のHPをクリックして、覗いてみてください。新型コロナウイルスで、ともすると深い孤立を強いられがちですが、オンラインをとおして相互に強く繋がっていきましょう。


さらに本研究所では、女性史・女性学研究の奨励・育成を目的とした「青山なを研究奨励金」、「秋枝蕭子学生研究奨励金」、および「江口裕子学生研究奨励金」の制度を設けて、学生の研究活動を支援しています。ぜひ、チャレンジしてみてください。


本研究所は、学生が積極的に参加することによって、女性の生き方、世界で起こる女性をめぐる様々な問題を考える場となっていきます。COVID-19に対する女性リーダーの活躍も示されています。こうした困難な状況を女性学の視点から理解を深めていくことも可能です。こうしたときだからこそ、互いにケアをし、ケアされる関係、性によって誰しもが不当に抑圧されない関係をこのキャンパスから、私たちから大きく広げていきせんか。


女性学研究所はキャンパスの北側に位置し、緑の草木に囲まれた瀟洒な白い建物です。研究所の図書資料室も充実させており、新入生の皆さんのご来室を心からお待ちしております。キャンパスがOPENになったら、ぜひ訪問してください。発見する価値があります。


所員一同、みなさまをお待ちしています。


東京女子大学女性学研究所ホームページ

東京女子大学女性学研究所Twitter

(2020年5月1日更新)