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経済学専攻


経済学専攻では、4月22日に、zoomによる新入生対象のオリエンテーションを、新入生71名全員参加で実施しました。

当日は、専攻主任の竹内先生の挨拶と大学生活での心構え、専攻の教員および事務スタッフの紹介、「村松安子研究奨励金」の案内および参加者によるプレゼンテーション、その後は新入生同士によるブレイクアウトルームでのセッションへと続き、予定時間を大幅に超える盛り上がりとなりました。zoomを通して顔を見せ合い声を交わしたことで、友達の輪がつながり、授業開始前の不安も多少は解消されたかと思います。

このページでは、専攻教員7名からのメッセージと、経済学専攻の特徴の1つである「村松安子研究奨励金」の紹介および過去の参加者の報告会ポスターを掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。



教員からのメッセージ


専攻主任 竹内健蔵先生 「経済学で社会を斬る面白さを共有しましょう」

皆さん、改めまして(遅まきながら!)ご入学おめでとうございます。

竹内健蔵と申します。東京女子大学出身ではありませんが、東京女子大学に来て25年になりました。今年初め(感染症流行の前)に現役・OGの皆さんが竹内ゼミ25周年記念パーティを催してくれたばかりです。

専門は交通経済学や公共経済学で、皆さんにも身近な交通問題について政策的に取り組んでいます。中央リニア新幹線建設決定や、高速バス制度の確立、地域航空サービスの企業統合、観光立国推進基本計画の作成、東京圏都市鉄道の建設計画の策定などをしてきました。

このように学内より学外での(主に国の)お仕事が多いのが特徴です。ですからあまり研究室にいません。テレビにもたまに出ます笑。

皆さんには経済学の考え方を使っていろいろな社会問題を斬っていく面白さを実感してもらいたいと思ってます。熱く語り活発な学生には、熱く語り活発に応えます。そんな新入生を歓迎します。


荒巻健二先生 「4年後の自分の姿を頭に描いて」

皆さん入学おめでとう。

歴史に残る異常な状況の中で大学生活を始めることになり、不安も多いと思いますが、大学時代をどう送るかはその後の人生に大きく関わってきますので、是非充実した時間にしてください。そのための私なりの秘訣をいくつか。

まず、目標を定めるということです。例えば、将来こうした分野で仕事をしていきたいといった目標が立てば、そこから逆算して、今何をすべきかが出てきます。また、何かやってみたいという気持ちがあったら外向けにコミットしてしまうということも有用です。言ってできないのは恥ずかしいので頑張るという他律のメカニズムに頼るということです。更に、自分より優れていると思う人と交わることも大切です。期待水準の高い環境に身を置くことはきついですが、否応なく成長させてもらえます。

大学生活は短いものです。自律に委ねられる部分がこれまでより格段に大きいので、ややもすれば限りなく非生産的な時間を過ごすことになりがちです。4年後にやるだけはやったという気持ちで卒業されることを期待しています。


栗田啓子先生 「書を持って家にこもろう」

皆さん、ご入学おめでとうございます。

私の専門は経済学の歴史です。といっても、メジャーな経済学者を取り上げるのではなく、フランスの土木エンジニアや実務家がいかにより良い経済社会を作るために、経済学を応用したのかを研究しています。担当する授業科目は、「経済学史」、「経済史」、「経営史」の3科目です。2年生以上が履修する科目ばかりなので、今年度は皆さんと触れ合う機会はないかもしれませんが、このような厳しい状況の下でも、皆さんが自分自身の課題を見つけ、目標に向けた学びができることを願っています。

ここでは、皆さんには、3冊の本を紹介したいと思います。

1番目は、マルサスの『人口論』(中公文庫あるいは光文社古典新訳文庫)です。人口増加と伝染病との関係を考察した18世紀末の本です。2番目は前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波新書)です。女性の政治参加の意義について考えることができます。最後は、この4月に出版された『経済学を味わう』(日本評論社)です。ちょっと歯応えがありますが、経済学の全体像を理解し、何のために経済学を学ぶのかを考える良いきっかけになると思います。


白砂堤津耶先生 「素晴らしいキャンパスが待っています!」

みなさん、ご入学おめでとうございます。

東京女子大学には、武蔵野の豊かな自然があり、四季各々の美しさを観ることができます。桜吹雪、蝉時雨、赤い柿の実、林を渡る木枯らし、気がつくと「もののあわれをしる」入り口に立っているかもしれません。そんな素晴らしいキャンパスが、みなさんのことを待っています。


二村真理子先生 「これからの4年間をデザインしてみましょう」

東京女子大学にようこそ。皆さんを心より歓迎いたします。

皆さんの大学生活は普通とは言えない始まりとなりましたが、これも大事な4年間の一部です。遠隔授業とはなりますが、どん欲に学んでいただきたいと思います。

さて、出来ないことばかりに目が行きがちですが、こんな時だから出来ることがあるはずです。そこで自分の大学生活をデザインしてみませんか。留学でも海外旅行でも資格でも起業でも何でも、これだけは学生時代に「やってみたいこと」を考えてみましょう。まだ無い、それも良いでしょう。これまで皆さんは大学受験で余裕のない日々を過ごして来られたことと思いますから、少し落ち着いて考える時間も必要です。この上は前向きに参りましょう。

美しいキャンパスで通常通りの授業に戻り、皆さんと直接お目にかかれる日を楽しみにしております。


古沢希代子先生 「100年女性と経済社会をみつめてきた」

ご入学おめでとうございます。私の専門は国際開発協力論で、開発援助のあり方について研究しています。そのため、大学で授業をする他に、発展途上国の政府やNGO、それから日本の国際協力機構などと仕事をしてきました。今日は、私の仕事が100年前の東女のミッションとかさなっているという話を少しします。

東京女子大学が設立された1918年、日本は発展途上国で貧富の差も深刻でした。当時本学には日文、英文、人文学科の他に実務科という学科がありました。その学科は、育成したい人物像として、自らビジネスを行う女性、それから、工場で働く女性や貧しい人たちのために社会事業を行う人、を掲げていました。私は自分の生活や人生を変えたいと願って行動する途上国の女性たちと歩んできたので、本学のこの歴史を知った時は大変うれしかったです。また、東女では開学当初から経済学を教えてきました。女性が経済のしくみを学ぶ重要性を認識してのことでした。(※)

最後にもうひとつ。私は2002年に独立した東ティモールという国と30年以上つきあっていますが、新型コロナウィルスが保健医療体制の整っていない発展途上国でこれから猛威をふるうのではないかと心配しています。東ティモールでは現在までに確認された感染者数は19名ですが、感染者数がこんなに少ないのは検査が遅れているせいだと思います。

※参考文献:

  • ・東京女子大学五十年史編纂委員会(1968)『東京女子大学五十年史』東京女性大学
  • ・栗田啓子・松野尾裕、生垣琴絵編著(2016)『日本における女性と経済学〜1910年代の黎明期から現代へ』北海道大学出版会

松嶋一成先生 「経営学の視点で世の中を分析してみよう」

ご入学、おめでとうございます。本学へは一昨年前に着任し、経営学系の科目を担当しています。皆さんには、1年次の「経営学入門」と、2年次以降の「経営組織論」、「経営戦略論」などでお会いします。そして、普段は、この組織論と戦略論の視点でイノベーションの研究をしています。具体的には、企業の研究開発のマネジメントを対象にして、優れた製品やサービスはどのように生み出されるのかとか、優れた技術はどのように社会に普及し、波及していくのか、といったことを、かつてのNHKのプロジェクトX(って知っています?)のように事例を詳しく調べたり、データを収集して統計分析で説明したりしています。以前は地方の国立大学にいたので、地域のイノベーションにも関心があります。



村松安子研究奨励金のご案内

ありし日の村松先生

村松安子研究奨励金とは、故村松安子本学名誉教授の遺贈により、経済学専攻の学生たちの学外での学びや活動を支援するために、1回10万円、合計2回を限度に、奨励金を授与する制度です。

支援の対象は、国内外における調査の実施、インターン及びボランティア活動、スタディーツアー、セミナー、学会、会議などへの参加、そして、語学研修を除く留学です。受給者は、活動終了後に学内で報告会を行い、経済学専攻のジャーナルに報告を寄稿します。

2014年の発足以来、この奨励金によって多くの学生たちが世界のさまざまな地域に旅立ちました。以下に掲載する学生たちの報告文と自作のポスターから、彼女たちが得たもの一端をお伝えできれば幸いです。

村松安子先生は、日本における開発経済学及び「開発とジェンダー」のパイオニアであり、アジア開発銀行、外務省、JICAのアドバイザーとして、開発援助がジェンダー平等の推進に取り組むよう提言を続けました。晩年は、国内外で「政府予算のジェンダー分析」の普及に尽力されました。そして、女性が政策形成に参画し、自ら資源を獲得し、活用していく道を開拓せよと私たちにタスキを託されました。村松安子先生は、学問には大変厳しく、しかし、学生が本当にピンチの時にはその学生を支えぬく方でした。先生は怖いけれど、「女の子だから、この程度でいいよね」とは死んでも言わない。そんな先生を私たちは大好きだったのです。

古沢希代子(経済学専攻教員/元村松ゼミ生)

写真は2003年8月にUNIFEM(国連女性開発基金)東ティモール事務所前で古沢が撮影したものです。


村松安子研究奨励金 報告会(過去分)のご紹介

村松安子奨励金は2014年から現在に至るまで、経済学専攻内で継続して毎年実施されているプログラムです。

下記のリンクから、2014年の受給第1号(報告会は2015年4月)、および直近の2019年度分の報告会ポスターと報告文(PDF)がご覧になれます。


卒業生 松浦梨菜さん(村松安子奨励金受給第1号)からのメッセージ

松浦さん

「ネパールでの経験に背中を押されて」

 私は、大学卒業後アメリカのコネチカット州の大学院へ進学し、国際開発と平和学を専攻しました。異なる文化をもつ学生たちと開発課題や紛争解決についてディスカッションベースの授業を受け、国際協力への学びを深めました。
 大学院在学中は、ニューヨークの国連日本政府代表部で夏季インターンシップを行い、国連の働きと国際社会における日本の役割を理解するとともに、自身のキャリア設計のために様々なネットワークを広げる努力をしました。ニューヨーク在住の東女の同窓生や日本人国連職員などと積極的に交流しアドバイスをいただいたおかげで、目標に対してどのような形でステップアップする必要があるのか、具体的なビジョンを持つことができました。  
 大学院卒業後は、国連本部の広報局にてツアーガイドとして勤め、世界各国からの学生や旅行者、子どもに対して国連の働きや成果を言葉で伝える仕事をしました。その後、国連ボランティアとして、ナイジェリアの国連人口基金(UNFPA)に約一年勤務し、ボコハラムから救出された少女たちに対する性と生殖に関する健康のためのプログラム運営に関わりました。参照URLはこちらです。
 ナイジェリアでは、民族と文化の理解に努め、他の国連機関との連携などを図り、現地ならではの困難に直面しながらも貴重な経験を得ることが出来ました。
 このような経験を得るにあたって、ネパールで出会った少女たちの存在は常に心の中にあり、シャクティ・サムハでのインターンは私のキャリアの重要な基盤となっています。現在は出産を機に日本に帰国し育児中ですが、これから仕事に復帰する際にもネパールでの経験を胸に目標に向かって突き進んでいきたいと思っています。
 在学生の皆さん、授業やゼミで興味をもった分野を掘り下げることは学生の今だからこそ出来ることです。ぜひ「村松安子研究奨励金」を活かして、海外インターンなどに挑戦し、今後のキャリアの基盤を学生のうちからつくってください。