header

「学長室から」No.29(2020年10月20日)

"半年遅れの入学式"


 10月17日(土)と18日(日)の両日、1年生を対象とした「キャンパス開放日(Freshman's Day)」を開催しました。1日目はあいにくの雨でしたが、2日間で、659人の参加がありました。担当事務局から私宛の終了報告には、「1年生も先生方もニコニコしておられたのがとても印象的でした」という感想がついていました。


 会が始まる前、歓談している二人の学生さんに「同じ高校?」と訊くと、「今、隣りあいました」との答えでした。私には、このやりとりが今回の企画のすべてを語っているように思えました。初対面であっても、「東京女子大学の学生」というたった一つの結びつきが会った瞬間に共同体意識を生み、長年の友のように話が弾むのです。


 私は、12専攻の会場を"はしご"で訪れました。簡単な歓迎の挨拶をするつもりでしたが、"半年遅れの入学式"のように思えました。その場にいない新入生たちのことも想いながら、以下のようなことを述べました。

  • ・いつもの入学式では、「みなさんは東京女子大学に招かれたのです」と言い、一人ひとりのお名前を呼んでその場で起立してもらっている。東京女子大学では、みなさんを『一人の独立した人格を持つ女性』として受け入れている。
  • ・今年のみなさんは、既に半年、東京女子大学の学生として過ごしている。大学はもちろん、大学での学び方も、そして東京女子大についても、何も知らない中で、自宅での一人の学びで大学生活を始めた。初めての遠隔授業にも立派に対応し、前期を学び通した。「よく頑張ったね」と言いたい。みなさんはもう東京女子大学に招かれた一人ひとりになっている。
  • ・本学では、4年間の学びによって、みなさんが知的でしなやかで自立した女性に成長してくれることを教育の目標の一つとしている。今回のコロナで改めて感じたことだが、みなさんが生きるこれからの近未来は、益々予測困難で変化と多様性に富む社会になる。そのような社会では、専門性とともに幅広い知性が必要である。それを意識した教育を本学ではリベラル・アーツ教育と言っている。それはどのようなスポーツをするにも重要な体幹を鍛えることにあたる。
  • ・こういう時期にあって、変化を乗り切る力だけでなく、みなさんには女性であることを活かし社会が必要としている変化を創る力をも身につけていただきたい。一度立ち止まり、改めて女性の生き方について思いを寄せ、後期の学びを続けて欲しい。

 一人ひとりが大きく成長した後の"半年遅れの入学式"、話していて胸が熱くなる瞬間がありました。
 最後に「ここはみなさんのキャンパスです」と言いました。美しい建物のある空間だけでなく、先生方、上級生、そして仲間のいる空間のすべてです。No one will be left behind!特に、今回お会いできなかった方々に届けたい言葉です。みなさんとも会った瞬間に会話が弾みます。


写真1 2020年3月19日撮影
"半年遅れの入学式"

帰校日の授業(1945年)(「東京女子大学100年史」)
チャペル見学