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「学長室から」No.31(2020年12月23日)

紅梅が咲いています。


 今年度は、12月23日が年内最後の授業日となりました。前週の東京は寒い日が続きました。キャンパスには、紅葉も落ち切った中で、葉の芽も出ていない紅梅が鮮やかな紅色の小さな可憐な花を咲かせています。まるで電飾ランプのようでした(写真1)。寒い時期でも受粉させる昆虫がいるのですね。他の花に先んじて寒い時期に咲くのは、受粉のための懸命な戦略なのでしょうか。小さな花の生命力と高度な知恵に妙に感心しました。
   くる年の明かりにも見ゆキャンパスに紅梅が咲くコロナ禍の暮


 12月21日、川上貞子奨学金の授与式がありました。1925年本学英語専攻部卒業の川上貞子氏の「学究する後進のためにささげたい」というご遺志による奨学金です。本学の学部卒業生又は大学院修了者で、学業優秀にして大学院で研究を継続している方に授与されます。今年度は、中迫史音さん(2019年人文学科卒、本学大学院博士前期課程在学)、古川梨子さん(2018年人文学科卒、明治大学大学院博士後期課程在学)、宮川知子さん(1996年日本文学科卒、早稲田大学大学院博士後期課程在学)、森田磨里絵さん(2014年人間科学科卒、立命館大学大学院博士後期課程在学)の4名の方が受賞しました。
 当日、授与式に参加してくださったのは次のお二人でした。宮川知子さん(1996年日本文学科卒) 。仏語通訳・翻訳家として様々なメディアで活躍しながら、早稲田大学大学院博士後期課程に在学し、フランス文学者のシャルル・バルバラに関する研究をしています。学部時代に学んだ文学を本格的に学びたいとのことです。森田磨里絵さん(2014年人間科学科卒)。東京大学大学院修士課程修了後、現在、立命館大学大学院博士後期課程で、3次元物体・環境認識における画像性手がかりと両眼視差との関係について研究しています。素朴な疑問が研究のきっかけであったとタブレットを片手に熱く説明してくれました。
 ところで、川上貞子氏は、本学卒業後、当時の東北帝国大学法文学部哲学科でさらに学びを続け、1928 年に卒業されました(「学長室から」No.30で紹介した高橋ふみさんや青山なを先生らと同じくらいの時期に当たります。)宮川さんと森田さん、お二人の話を聞きながら、学問好きであった川上貞子氏もお喜びであろうと思わされました。
 受賞されたみなさんの大学院での学びの中には、かけがえのない価値が秘められています。志の成就を願っています。


 「わたしは一つの石をシオンに据える。/これは試みを経た石/堅く据えられた礎の、貴い隅の石だ。/信ずる者は慌てることはない」(イザヤ書28章16節)。これは、今年最後の評議会の開会礼拝で読んだみ言葉です。今年は、新型コロナウィルス感染拡大の中で、学生のみなさんには多くの不便を強いました。何よりも、仲間と会い一緒に学びそして語り合うことが十分にできませんでした。なお厳しい状況が続いておりますが、「堅く据えられた礎」に身を置き、慌てない明るい年になることを願っています。「あわてる」は、「心を荒げる」と書くのですね。


写真1
写真1 構内の紅梅

写真2
写真2 川上貞子奨学金授与式