イベント

公益財団法人野村財団「女性が輝く社会の実現」をテーマにした講演会等助成受託事業
創立100周年記念連続シンポジウム「グローバル社会に生きる女性のエンパワーメント」第3回(2017年度)

「女性を支える金融—途上国における
マイクロクレジットの成果と課題—」

第3回目は途上国における女性の経済的エンパワーメントをテーマに取り上げ、「女性を支える金融-途上国におけるマイクロクレジットの成果と課題―」を開催しました。本学国際社会学科経済学専攻教授の古沢希代子先生の趣旨説明に続き、日本福祉大学教授でオイコクレジット・ジャパン日本代表の岡本眞理子先生による報告、開発コンサルタントの原康子先生の事例報告とこの3人の先生によるパネルディスカッションが行われました。

マイクロクレジットは貧困層を対象に無担保で少額の資金を貸し付ける仕組みです。岡本先生は「マイクロファイナンスと女性のエンパワーメント」と題し、半世紀にわたるマイクロクレジットの普及の歴史、現状、評価、女性のエンパワーメントにとっての効果について報告されました。マイクロファイナンスだけでは貧困削減はできず、利用者たちの環境を改善する交通インフラなどの整備なしにはその効果は小さい。また女性を単なる融資の対象とするだけではエンパワーメントとは言えず、どのような機会が女性に与えられるかが重要ではないかと指摘されました。
次に、原先生が「南インドで挑戦した女性にやさしい信用金庫の作り方」と題して報告されました。相互扶助組合法に基づいて設立された信用組合VVK(ビシャカ・ワニタ・クランティ)が自律的に運営できるように協働された経験から、女性が利用者として、運営主体としてどのような力を獲得したのか具体的に熱く語られました。「援助(支援)というのは関係性で、支援する人と支援される人の一端に自分があって、その関係性ができていないところで支援は成立しない」と伝えてくださいました。
続いて、発展途上国での開発協力に関わっておられる古沢先生の司会でパネルディスカッションが行われ、マイクロクレジットの昨今の評価、特に所得効果や女性のエンパワーメントについて議論が交わされました。フロアからも質問が寄せられ議論が深まりました。当日は「国際協力とジェンダー」を学ぶ学生の皆さんが参加され、アンケートには「援助の『お客さん』から主体的な経済活動を可能にする支援ということが印象に残りました。」「女子大であるからこそ、女性のための取り組みのお話を聞けることは、とても魅力的だと思う」などの意見が寄せらせました。

本シンポジウムは2018年度が最終年度となり、「グローバル社会に生きる女性のエンパワーメント—女子大学の新たな使命」をテーマに各女子大学の学長をパネリストにお招きして、2018年11月2日に本学で開催いたします。どうぞご期待ください。

【本件に関するお問い合わせ先】

東京女子大学 エンパワーメント・センター
TEL 03-5382-6832
E-mail empowerment@lab.twcu.ac.jp

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