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東京女子大学

国際社会学科

コミュニティ構想専攻

まちづくり、環境、観光、ジェンダーの実践を通じて、コミュニティを構想するためのツールとしての社会科学を体得します

「コミュニティ」という言葉は、地域開発、人間開発、環境、経営、メディアなど、いろいろな社会科学の領域で用いられています。皆さんも様々なコミュニティに属しており、身近に感じられる言葉かと思います。この専攻では、コミュニティに生きる人々の持続可能な幸福や豊かさを、国際的な視野を持って考えることのできる人材を育てます。学びは、基礎力を培った上で、「まずやってみること」から始めます。主題別の実習科目を核として、現状分析・課題設定、解決策の企画立案、提言・プレゼンテーション、合意形成や意思決定などのツールを体得します。企業、行政、NPO・ボランティア団体、地域と連携し、社会科学の知を学際的に使いこなすというのはどういうことかを、体験的に学びます。学年を超えて交流し、教員と学生が相談し、活き活きと学びが行われ、「見違えるように成長した」という声も多く聞かれます。

学べること
地域振興 / 観光振興 / まちづくり / コミュニティとジェンダー / 持続可能性・SDGs / フィールドワーク / 合意形成・意思決定 / 政策提言 / 地域資源 / 環境情報 / 地理情報

専門分野

  • まちづくり

    まちづくりをめぐる諸問題、それに対処する制度や政策の現状を知り、問題解決型思考法としてのコミュニティ構想を考える。

  • 観光

    インバウンド・ツーリズム、持続可能な観光地域づくり、ホスピタリティなど、観光と関わるトピックの考察から、観光をめぐる政策、制度、マネジメントなどの思考法を学ぶ。

  • 環境

    まちづくりや観光などとのかかわりでコミュニティと環境を考えることを通じ、持続可能な問題の解決方法を学ぶ。

  • ジェンダー

    ジェンダーとコミュニティの問題について考えることを通じ、エスニシティ、クラス、その他の人間共生とのかかわりでコミュニティ概念を考察し、科学的思考のかかわりを学ぶ。

学びのポイント

  • 01

    持続可能なコミュニティを実践するツールの体得

    テーマは、まちづくり、観光、環境、ジェンダー、政策、文化資源など多岐にわたります。観光学、まちづくり学、ジェンダー学などの学際的な学びを通じて、調査やフィールドワーク、課題設定、解決策のプランニング、実行のための合意形成と体制づくりなど、社会科学の知識をツールとして活用するコツ、それを支える教養を学びます。

  • 02

    多様な実務経験を有する教員による実践指導

    地域でのインターンシップに参加する。まちづくりの事例解説の動画をつくる。地域の魅力を表現する手法を活用してポスターをつくる。地域の課題解決に資する旅行商品をつくってプレゼンテーションをする。ミニコミをつくる。SDGsのイベントを開催する。地域の人々とワークショップを開催する。こうしたさまざまなプロジェクトが、専攻で進行中です。これを指導するのが、民間企業、行政機関、NPO、地域コミュニティなどでの実践経験をもつ教員達です。こうした教員達と一緒に、皆さんの人生の目標や居場所を探求していきましょう。

  • 特色

    • テーマを立てて、まずやってみることから始めます。
    • さまざまな学びのプロジェクトに参加できます。
    • 課題解決型の授業を通して、学際的な学びとは何かを体得できます。
    • 教員と学生、下級生と上級生の交流が盛んです。
    • 企業・行政・地域に対する提言や発信もいろいろ行われ、学外との交流も盛んです。
  • 身につく力

    • データを分析し、科学的に状況や動向を分析する調査力
    • 客観的な分析結果に基づき、議論し、考察し、実践的な解決策を提案する力
    • 他者の話を傾聴し、人を思いやり、持続可能なコミュニティの土台となる信頼関係を築く力

カリキュラム

4年間のカリキュラム概要

  • 1年次

    コミュニティを創造する知の基礎を学び、演習や計画法の授業を通して、4年間の学びを計画します。

  • 2年次

    コミュニティ構想論の学問分野(まちづくり、観光、環境、ジェンダー)の概要を学び、実習に向けた知識の整理を行います。

  • 3年次

    主題別のクラスに分かれ実習を行い、また同じ主題別演習で学ぶことで実践的な社会科学の知に習熟します。

  • 4年次

    知のプロデュース力、実践力、問題定立力、調査解析力をフルに動員し、卒業論文を仕上げます。

主な授業内容

  • ◆コミュニティ形成論

    ソーシャル・サポート

    地域社会におけるケアやサポートの現状と課題、住民ネットワークや共同活動の重要性、資源開発、エンパワーメントなどについて学びます。職業やボランティアを通し、地域において活動を展開していくための基礎的な力を身につけます。

  • コミュニティと情報メディア

    テレビ、ラジオそのほかの地域メディア、インターネットの発達に伴うSNSなどのコミュニケーション手段、コミュニティ紙誌などの現状について例解し、コミュニティ創造に情報メディア論の視点を活かす方法を学びます。

  • コミュニティと心理学

    コミュニティ形成の問題を、心理学的な観点からとらえ直し、公衆衛生学、産業組織心理学や社会システム論、臨床心理学などに見られるコミュニティ援助の成果にも触れながら、コミュニティ心理学を学びます。

  • 都市フィールドワーク

    商店街や住宅地などのフィールドワークについて学びます。都市散策なども採り入れ、実践的に学びます。社会調査士資格の認定科目です。専攻で学ぶ統計的調査諸科目との関連、使い分けの方法などを身につけます。フィールドワーク、生活史、グラウンデッド・セオリー、テキストマイニングなど最新の方法も解説します。

  • ◆コミュニティと行政・法制度

    市民参加と法

    ひとづくり、ものづくり、まちづくり、暮らしづくり、職場づくり、政治参加、国際協力、平和貢献など、現代に生きる女性が市民参加の現場において出合う法律的な諸問題の概要を学びます。

  • 公共生活と法

    家族、地域、人権、職業、余暇や消費、ビジネス、子育てや教育、非行や犯罪、福祉、社会参加などの生活諸領域における法律的なキートピックを概観し、法制度の現状と課題を学び、リーガル・マインドを実践的に育みます。

  • ◆まちづくり

    実践的研究計画法(研究計画)

    それぞれの学びをプロデュースするための授業。専攻における実践的な学びがどのようなものかを振り返りながら、実践的なワークショップなどを通じて、各自の問題関心をどのように育てていくかを学びます。

  • コミュニティ構想論

    まちづくり、人生設計、地域文化、風景、観光などを学んでいく基礎となる考え方(コミュニティ、ジェンダー、モビリティ、サステイナビリティ、イマジネーション、ソーシャル・キャピタル)について説明します。

  • まちづくりと法

    まちづくりと関わる法制度について、コミュニティ構想の観点から学んでいきます。条文解釈、法解釈の方法に特化するのではなく、コミュニティ実践の中で出合う法的な問題を知り、法律的な知識を参照する方法について学びます。

  • ◆観光学

    ホスピタリティ論

    地域社会におけるケアやサポート、住民ネットワークや共同活動、サービス産業、観光、国際支援などホスピタリティ論の広がりを例解し、コミュニティ形成とホスピタリティとの関わりを考えます。

  • グローバル共生とコミュニティ

    共生、平和、福祉などコミュニティの理念について、ツーリズム、余暇、レジャー、消費、ホスピタリティなどの社会科学的知見に学びながら、コミュニティ創造にグローバル共生の視点を活かす方法を学びます。

  • ツーリズムとジェンダー

    観光開発の影響、ツーリスト側の行動などにおけるジェンダーの問題を理解します。そして、ツーリズムと女性の視点の関わり、観光の問題に女性の視点を活かすということの意味などについて考察します。

  • 地域共生とツーリズム

    地域共生の観点を基本としながら、コミュニティ創造とツーリズムの関わりについて理解します。他方で、ツーリズムにおける商業性、経済性、戦略性、イノベーション、ブランディングなどのトピックを考察します。

  • 世界遺産学A

    日本・アジア圏の世界遺産をいくつか取り上げて、それらの歴史的背景や文化的意義、保護と活用をめぐる諸問題について論じます。世界遺産を学ぶうえで必要となる多様な方法について紹介し、世界遺産をめぐる諸問題への理解を深めます。

  • ◆ジェンダーと社会参加

    コミュニティとジェンダー

    自己のアイデンティティ、家族、地域、学校、職場、国民国家、国際社会などさまざまなレベルでのコミュニティづくり、女性が直面する諸問題を分析するためのジェンダー論の基礎を学びます。

  • ジェンダーと法

    ジェンダーをめぐる法状況について考察します。例えばジェンダーの視点から見た法制度の偏りを理論的に理解したうえで、家庭、財産、教育、労働、犯罪など市民生活の諸領域をめぐる法制などについて学びます。

  • コミュニティとリーダーシップ

    コミュニティを形成するために求められるリーダーシップについて学びます。コミュニティ内に創造的なきずなを形成するために必要なモチベーション、マネジメント、意思決定、情報発信について考察していきます。

  • ◆政策プランニング

    コミュニティとリスク

    都市防災論、都市計画論、リスク社会論、さらにはジェンダー論、環境問題論、共生学などが扱ってきたキートピックの例解を通して、グローバル化するコミュニティのリスクについて考察します。

  • 地域共生とイノベーション

    ひとづくり、ものづくり、まちづくり、暮らしづくり、職場づくりなどコミュニティ実践において、人生においてできること、なれるものの選択肢を広げるためのコミュニティ創造をめぐるイノベーションの問題を考察します。

  • ◆スタディスキルを学ぶ

    コミュニティ調査法A・B

    データサイエンスの時代における科学的な計測とデザインの思考を学びます。併設の計測法、実習の科目と連携して、社会調査士資格取得を目指します。

  • 実践的研究計画法(研究計画・構想)

    学びのカウンセリング、講義科目や実習科目の調査、学びのイベント企画などを通して、学年を越えた学びのハブをつくるための授業です。

主な演習授業

東京女子大学では、特色ある多彩な演習授業を1年次より履修します。
少人数クラスを基本とし、討論や研究発表を行う演習形式の授業を通して、異なる意見と向き合い、協働して問題解決に当たるなど、自ら学び考える力を養います。

2022年度
卒業論文題目より

  • 地域コミュニティにおける女性のエンパワーメントとジェンダー不平等の改善 ‐バングラデシュにおけるマイクロファイナンスの事例より‐
  • メディアとまちづくり ‐地方自治体・中小企業とSNSの関わり‐
  • 消費を通じた社会的課題解決の可能性について ‐生活者の意識・行動調査を通じて‐
  • エコタウン政策の現状と課題 ‐埼玉県所沢市を事例に‐
  • 子育てしやすい社会と地域支援 ‐男性の子育て参加促進と地域支援の関わり‐
  • 農村における農泊振興について ‐農泊による農家の所得向上と持続可能な農村形成‐
  • 観光振興における公園の活用 ‐国営ひたち海浜公園を例として‐
  • 日本のMICE誘致について ‐アジア No.1 の国際会議開催国となるために‐
  • ベッドタウンの現状と今後 ‐東京都下・多摩地域の「ポスト・ベッドタウン」像を考える‐
  • 現代社会とまちづくり ‐電力地産地消による持続可能なまちづくり‐
  • パブリックスペース活用の実態と今後のあり方 ‐施設供用開始後の運営組織形態に着目して‐

専任教員

資格・進路

  • 取得可能な資格

    コミュニティ構想専攻の学生は、所定の課程を修了することで、以下の資格を取得できます。

    • 社会調査士

    • 学芸員

  • 卒業後の進路

    • 進路先

      運輸:東海旅客鉄道株式会社/九州航空株式会社/東日本旅客鉄道株式会社 / 卸売・小売:丸紅食料株式会社/株式会社エムエム建材 / 教育・医療・福祉:日本年金機構 / 教員・公務員:埼玉県/杉並区/横浜市 / 金融:日本銀行/三井住友海上火災保険株式会社 / 広告・コンサル・学術:株式会社小学館集英社プロダクション/株式会社大和総研 / サービス:独立行政法人水資源機構/株式会社星野リゾート・マネジメント/四季株式会社 / 情報通信:株式会社NTTドコモ / 製造・建設:伊藤ハム株式会社/株式会社キーエンス/丸大食品株式会社/山崎製パン株式会社/三井住友建設株式会社 / 不動産・物品賃貸:三井不動産ビルマネジメント株式会社/東武タウンソラマチ株式会社/株式会社タカラレーベン/株式会社東急コミュニティー/三井不動産レジデンシャル株式会社 / 進学:日本大学大学院 など

    • 主な就職先・進学先(過去2年)

コミュニティ構想専攻の
先輩の声