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ストーリー

[教職員]

同時通訳者として「伝わる英語」を研究しその大切さを教え広める

東京女子大学 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻 教授 鶴田知佳子

現役の同時通訳者として、これまでアメリカ大統領選の開票速報や就任後の一般教書演説、またオリンピックやラグビーワールドカップなど、世界が注目する大舞台から国際会議までさまざまな現場で経験を重ねてきました。そこで抱いた問題意識を踏まえ、トランスレーションスタディーズ(翻訳学)としての通訳を研究テーマにしています。人と人とがコミュニケーションを通じてお互いを理解し、現実を認識するとはどういうことか、という視点のもといま注力しているのが、日本語から英語への翻訳が果たして本当に「伝わる」英語になっているのかという検証です。特に自治体のホームページはいわゆる役所言葉を機械翻訳しただけで、外国人に伝わる水準には達していない英文も散見されます。このような問題を解消して国内外の外国人に必要な情報を誤解なく発信するために、有志と結成した「日本の英語を考える会」を通して検証、提言活動を続けています。中長期的には、日本が世界に対して恥ずかしくないレベルの英語を発信することに貢献するのが目標です。 授業においても「GoToトラベル」や「ウイズコロナ」といった、海外では通じない和製英語が生まれる背景や心理を学生と一緒に考察するとともに、SDGsなどについて英語で書かれた政府のホームページの中に見られる問題点を指摘する課題を出しています。身の回りで何気なく使われている英語にも問題意識を養うことにより、将来的に正しく伝わる英語を操り、社会に良い影響をもたらす人材に育ってほしいと願っています。

第一線の現場で得た知見をもとにした著書多数、「日本の英語を考える会」の活動は国内外のメディアに取り上げられています

研究キーワード 通訳 / 翻訳 / 教育 / 通訳実務 / 同時通訳

鶴田知佳子
東京女子大 現代教養学部 国際英語学科 国際英語専攻 教授

日英同時通訳における訳語の選択、カタカナ語のもたらす影響。