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東京女子大学

教授

キネフチ ヒロキ

杵渕 博樹

現代教養学部 人文学科 歴史文化専攻

研究キーワード

ドイツ文学 / ドイツ語 / 戦後文学 / 現代文学 / 比較文学 / ギュンター・グラス / ニコラス・ボルン / クレメンス・マイヤー / ハンス・エーリヒ・ノサック / フランク・オハラ / 金子光晴 / 開高健

研究分野

戦後・現代ドイツ文学 / 日独比較文学

研究テーマ

第二次世界大戦後、20世紀後半以降の現代ドイツ文学。ギュンター・グラス、クリスタ・ヴォルフ等の作品を通じて、同時代あるいは「近い過去」と批判的に向き合うものとしての文学について考えています。戦争を描く日独小説作品の比較論も行ってきました。

コメント

今、私たちが生きる世界の基本的枠組は、19世紀のヨーロッパで形成されました。日本は明治以来、ヨーロッパの制度・法律・学問・文化から多くを学ぶことで近代国家となりました。なかでもドイツからの影響は決定的でした。その後、日独両国は民主主義を否定し、軍国主義・全体主義体制のもとで他国を侵略し、敗戦を経験しましたが、ドイツは自国の負の過去と正面から向き合い、国際社会の信用を回復し、英米とは一線を画すEUの中心となっており、脱原発政策でも世界をリードしています。ハプスブルク帝国の文化的遺産を引き継ぎ、「音楽の都」ウィーンを擁するオーストリアもドイツ語圏です。中世以来の伝統を誇る多民族連邦国家スイスでも、ドイツ語は主要言語のひとつです。その他、イタリア、フランス、ベルギーの一部、そしてルクセンブルク、リヒテンシュタインもドイツ語圏であり、ドイツ語母語話者数はおよそ1億人で、EU圏内最大です。オランダ語もドイツ語とはお互いに「方言」のような関係にあります。ある地域について、当地の言語を知らずに学べることはわずかです。今日なお、われわれがドイツ語圏から学ぶべきことはたくさんあります。アルプスの山並みやライン、ドナウ河畔の風景、歴史ある城や教会、街並みも美しく、旅行者に人気の高い地域でもあります。ドイツ語は英語の祖先のようなものですし、発音の基本はローマ字式ですから、学びやすい言語です。バッハ、モーツァルト、ハイドン、ベートーベン、シューマン、シューベルト、ブラームス、カント、ヘーゲル、マルクス、エンゲルス、フロイト、デューラー、クリムト、シーレ、リルケ、カフカ、ブレヒト、みんなドイツ語を話していました。歴史、哲学、音楽、美術、文学等に興味のある方に、おすすめです。

  • 主な担当授業・演習
    • ドイツ語初級
    • ドイツ語読解
  • 所属学協会・プロジェクト
    • 日本独文学会
    • 早稲田ドイツ語学・文学会
    • 日本独文学会西日本支部
  • 書籍等出版物(単著・共著)
    • 『人類は原子力で滅亡した ー ギュンター・グラスと「女ねずみ」』(単著、早稲田大学出版部、2013年)
    • クレメンス・マイヤー『夜と灯りと』(単訳、新潮社、2010年)
    • 『文法から学べるドイツ語ドリル』(ヘルマン・トロールと共著、ナツメ社、2007年)
    • 『これがドイツ語だ ー 会話で文法』(サーシャ・クリンガーと共著、同学社、2018年)