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東京女子大学

特任教授

イシイ ノリコ

石井 紀子

現代教養学部 国際社会学科

研究キーワード

アメリカ研究 / 海を越える女性史 / 日米プロテスタント女性ネットワーク / キリスト教青年運動(YMCA, YWCA, WSCF) / 戦争 / 人種とジェンダー / 国際主義

研究分野

アメリカ社会史 / アメリカ女性史 / 日米関係史

研究テーマ

日米関係と、アメリカ人女性、日本人女性の接点の歴史に関心があります。草の根レベルの日本社会と最初に接触したアメリカ人女性として、19世紀の日本の近代女子教育に貢献したアメリカ人女性宣教師とその弟子であった日本人女性との文化交流史を研究してきました。近年では、YMCA, YWCA, WSCFといったキリスト教青年運動による、宗教を基盤とする女性の国境を越えた運動の視点から、キリスト教が戦間期、および第二次世界大戦、占領期の日米関係に果たした役割を研究しています。特に、日米のクリスチャン女性たちが、キリスト教のエキュメニカル運動を通して、どのようにキリスト教と戦争やナショナリズムの折り合いをつけて国際主義や平和を希求したかについて研究しています。

コメント

歴史学をジェンダーの視点からとらえなおしてみませんか。皆さんがこれまで学んできた歴史学は誰の視点から書かれてきたのでしょう。「女性の目」という角度から光を当てると、今から100年前、船しか外国に行く手段がなかったにも関わらず、多くの国の女性たちが、海を越えて集まって国際会議を開き、参政権、平和や労働の問題について、活発に議論を行っていたことがわかります。なぜAIもスマホもなかった時代に、多くの女性たちが、言語、人種、宗教や国家の壁を越えて、話し合うことができたのでしょう。今日、AI等の発展にも関わらず、世界の分断は深まる一方です。100年前の歴史からその分断を乗り越えるヒントは得られるでしょうか。「女性の目」という視点から歴史の新たな側面を掘り起こす面白さを発見しましょう。さらに、私たちが耳にする「歴史」が「誰の視点」から語られているのか、批判的に考えてみませんか。

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    • 『Nationalism and Internationalism in the Young Ecumenical Movement, 1895-1920s』(共著、Brill、2025年)
    • 『「法ー文化圏」とアメリカ:20世紀トランスナショナル・ヒストリーの新視角』(共編著、上智大学出版、2022年)
    • 『グローバル・ヒストリーズ:「ナショナル」を越えて』(共著、上智大学出版、2018年)
    • 『American Women Missionaries at Kobe College, 1873-1909: New Dimensions in Gender』 (単著、Routledge、 2004年)