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東京女子大学

ストーリー

[卒業生]

これまでの経験や学びを、これからの私に生かす。輝き続ける、人生のために

2005年 文理学部 数理学科(当時)卒業 中釡美香税理士事務所

仕事も家庭も両立する
一人の上司との出会いが、人生を変えた

中学生の頃から数学が大好きで、大学も数学を学べる数理学科へ進学した。数学を学べば、将来どんな道に進んだとしても、論理的に考える力や情報を分析する力はきっと役に立つと思っていた。在学中は、紐の結び目を数学的に研究する「結び目理論」のゼミに所属。他にも、教養科目で法律の面白さを知った。後に税理士になるとは想像していなかった。でも、数学を専門的に学んだことは、キャリアを重ねる上で常に私の強みになっていたと思う。

入学当初は数学教師になる道を考えていたけれど、結婚してからも働ける環境を求め、地方公務員になった。窓口、統計調査、システム開発、採用。さまざまな業務を担当するうちに、自分のキャリア観と、職場で携わる仕事内容にギャップがあることに気づいた。「私がなりたいのは、さまざまな仕事ができるゼネラリストではない。一つのことを極める専門性を高めたい」。

数字を扱い、大学時代に培った法律の教養も生かせるスペシャリスト…。自分と向き合い、考えた末に税理士を目指すと決めた。資格取得に必要な5科目のうち2科目に合格したタイミングで、税理士事務所に転職。所長は、若くして事務所を開き、仕事に情熱を持って取り組んできた女性だった。その一方で、家族との生活も充実させている姿に感動した。「なんて理想的な働き方だろう」。この所長に出会えたことで、「税理士になり、自分の事務所を持ちたい」という目標が生まれた。

切磋琢磨した友たちの活躍が
目標達成に向けての原動力になった

その後は結婚を機に、ニューヨークへ移住。日本での経験を生かし、現地の会計事務所で3年間働いた。税務だけでなく、長いブランクがあった英語の勉強にも必死で取り組んだ。「この経験も、自分の仕事に生かしたい」。進むべき次の道が、自然と見えてきた。
帰国後は、国際会計事務所へ。外資系法人の会計業務・税務やベンチャー企業の上場支援に挑戦した。在職中に税理士試験の全科目に合格。ついに独立開業の夢を実現した。数学、法学、英語。これまでの人生で得た専門的な学びがすべて生かせる場所を、自分で作ることができたのだ。

女性が家庭と仕事を両立するには、社会的な難しさがあると思う。ライフステージの変化に、柔軟に対応しながら自分のキャリアを重ねる必要があるからだ。それでも、私が独立という目標に向かって行動できたのは、東京女子大学で育んだ自主性のおかげ。キャンパスでは、誰もが積極的に切磋琢磨していた。共に過ごした同窓生たちが今もどこかで活躍していると思うことが、私の原動力になった。
自分の経験や頑張りで、誰かの気持ちを奮い立たせることができたら。誰かが将来を考えるヒントになったら。独立を達成した今の目標は、自分の子どもに誇れるように職務をまっとうすること。大学時代から磨いてきた自主性を支えに、私はこれからも努力し続ける。

プロフィール

千葉県出身。
卒業後、地方公務員として人事労務や国民健康保険業務、統計業務を経験。
その後、都内税理士事務所やニューヨークの会計事務所、帰国後に国際会計事務所などで勤務した後、2021年に自身の税理士事務所を開設。