申込不要受付中締切間近終了
東京女子大学

ストーリー

[卒業生]

人々の輝く個性とそれぞれが抱く思いをテレビの先へ伝えたい

2012年 現代文化学部 コミュニケーション学科(当時)卒業 株式会社東京ビデオセンター ディレクター

“面白い番組”を追求する日々。
挑戦に明け暮れた大学時代が、今につながる原点となった

テレビディレクターになって10年。制作現場での責任者として、目まぐるしい毎日を送っている。ある時は番組の企画を考え、事前調査や取材へ出かける。また、ある時はプロデューサーとの会議で熱く議論を交わす。番組の台本を書いたり、一人でロケに行き、取材対象者へのインタビューや撮影をしたりすることもある。撮影後の編集作業まで、自分でやり切ることも珍しくない。挿入するナレーションやテロップを考えながら、撮影した映像を決められた長さにまとめ、音楽をつけて、ようやく一つの番組が完成する。ディレクターは、面白い番組を作ることをゴールとして、あらゆる作業をするのが仕事だ。

幼いときから「テレビっ子」で、物心ついた頃には、番組作りに憧れていた。テレビ業界で働くなら、やっぱり東京だろう。そう思っていたとき、東京女子大学のことを知った。マスコミについて学べるだけではなく、興味があった言語学や心理学などを幅広く学べるところが、好奇心旺盛な私にはぴったりだった。
入学してからは、やってみたいと思ったことにどんどんチャレンジした。授業では、マスコミ論はもちろん、ジェンダー論や心理学、言語学を履修。日本語教員養成課程も受講し、ITパスポートや社会調査士などの資格取得にも挑戦した。高校生の頃まで、勉強が好きだと思ったことはない。しかし、東京女子大学の授業はとにかくすべてが面白かった。

大学での人々との出会いが
ドキュメンタリーの道に進む契機に

在学中の印象的な思い出は、松尾慎教授(現/心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻)のコーディネートにより、群馬県太田市のブラジル人コミュニティで行われている母語(ポルトガル語)保持活動に参加し、日系ブラジル人の子どもと接したことだ。外国にルーツがある人と関わった経験がなかった私にとって、彼らがどのような暮らしをて、何に悩んでいるのかを知れたことは、世界の多様性に興味を持つきっかけになった。共に活動していた仲間たちもそれぞれ所属学科が違ったから、専門分野や興味対象は十人十色だった。文化や環境の違い、個性の違い。多様な人々との関わりの中で、ふと気づいた。「人それぞれ、違う面白さを持っている」。ずっと夢見ていたテレビの世界で、制作したい番組とは何か。「ドラマやバラエティではなく、人に焦点を当てたドキュメンタリーを作りたい」。そう思うようになったのは、大学生活で多くの人と関わり、人々の姿から学べることの奥深さに気づいたから。

だからこそ、取材する立場になったいま、こう思う。「人から学ぶだけでなく、私自身も周囲の人に対して魅力的であり、良き人でありたい」と。協力してくれた人が、「濱地さんに取材してもらえてよかった」と思える番組を作りたい。その人が抱いている思いや、放った言葉の魅力を、私の手で最大限引き出して視聴者へ伝えていきたい。多くの人に「面白かった」と言ってもらえる番組をこれからも作り続けていくことが、私の使命だ。

プロフィール

三重県出身。
卒業後はテレビディレクターとして、NHK Eテレ「ハートネットTV」、テレビ朝日「テレメンタリー2020(私がやらない限り~性暴力を止める~)」などの制作に携わる。
2017年、撮影・編集を行ったドキュメンタリー作品『赤髪と日本舞踊』が、TokyoDocsの「Short Documentary Showcase」で優秀賞を受賞した。