申込不要受付中締切間近終了
東京女子大学

ストーリー

[卒業生]

未知の分野に挑戦し成長する力を強みに情報通信の未来を拓く

2020年 人文学科 英語文学文化専攻(当時)卒業 日本電気株式会社

自律的で自由な学風が背中を押してくれた

今や社会のインフラとしてさまざまな領域で活用されている人工衛星。自然災害の状況把握や、森林破壊・海洋汚染などの環境監視のほか、GPSに代表されるような、衛星からの電波を受信し位置を正確に把握する衛星測位技術は、自動車の運転アシスト、IT農業、ドローン配達など幅広い分野での利用が期待されている。私の仕事は、地上局も含むNECの衛星システムを官公庁や商社、JAXAなどの機関に提案し、契約締結から納品までを伴走することだ。

大学時代は、宇宙にはまったく縁がない英文学を専攻していた。オープンキャンパスで見た緑の中に映える美しいキャンパスやのびのびした学風が忘れられず、東京女子大学を第一志望に。英文学を専攻したのは、英語に苦手意識があり、「せっかくなら苦手なことを克服しよう」と思ったからだ。だが、入学してみると周囲は英語が得意な人ばかり。「ついていけない」とアドバイザーに相談したこともある。他専攻の科目を履修するのも最初は不安だった。

そんな私が少しずつやる気を出せたのは、東京女子大学の自由さのおかげだ。学生は皆、自律的で互いに干渉せず、それぞれが興味のあることを自由に学んでいる。他専攻の学びが推奨されており、苦手なことでも学びやすい雰囲気がある。そうか、私も周囲のことを気にせずに好きなようにやればいいのだ—。そう気が付いてからは心が楽になった。

それからは、科学や物理など他専攻の学びにも積極性が出てきた。自専攻の英語も、ネイティブの授業を連日受けるうちに苦手意識を克服し、1年次が終わる頃にはアイルランドに短期留学もした。最初は勇気がいるけれど、一歩踏み出して新しい学びに挑戦してみる。小さな「できた」を積み重ねることで自分自身が変わっている。幅広い分野を学べる環境や自律的・寛容な学風の下で、そんな体験を多く積むことができたのが私の大学生活だったと思う。

宇宙事業の奥深さと魅力に大きなやりがいを感じて

ITという苦手な分野を就職先に選んだのも、大学生活を通して未知の分野に挑戦する楽しみを実感していたからだ。IT業界でも文系出身者が活躍していることを就職活動で知り、面白そうだなと思った。NECに決めたのは、就職先を探す中でNECの「誰も取り残さない社会を創る」という企業メッセージを聞き、インクルーシブな観点で技術を発展させ、社会に貢献しようとする企業姿勢にとても共感したからだ。

入社後は、技術知識や契約に必要な法学系の知識の修得など、毎日が勉強の連続だ。でも、知らない分野に抵抗なく挑戦する力は、東京女子大学が育ててくれた私の強みだ。現在はベトナム向けの地球観測衛星プロジェクトを担当しているため、海外出張や英文契約書のチェックなどの仕事が増え英語も諦めなくて本当に良かったと思う。

宇宙事業は規模が大きく、取り組むほどに事業の奥深さや魅力を感じている。大変なことがあっても、帰路、夜空を見上げた時に「ああ、宇宙に関わっているのだ」と思える瞬間がうれしい。これから年齢を重ね、結婚や出産などがあったとしても、この仕事を続けていきたい。そう思える今に感謝し、社会人として大きく成長していきたいと思っている。

プロフィール

埼玉県出身。卒業後、日本電気株式会社(通称NEC)の宇宙・防衛営業本部に所属し営業を担当。同社の宇宙事業を官公庁や商社、JAXAなどさまざまな機関に提案している。