寛容な自由さが導いた法曹への挑戦
社会生活ではさまざまな事件や紛争が起こる。ニュースになるような刑事事件だけでなく、離婚や相続、労働問題、売買、行政事件など、いろいろな争いごとが起こりうる。そうした事柄に対して、予防方法や対処方法、解決策を法の観点から助言するのが、弁護士の仕事だ。
東京女子大学に入学した頃は、まさかこの仕事に就くとは思ってもみなかった。華やかなイメージのある金融業界への漠然とした憧れから、経済学を専攻。東アジア経済を専門とする白砂堤津耶先生のゼミに在籍し、卒業論文では、紀伊国屋文左衛門という、帆船貿易で財を成した和歌山県出身の豪商をテーマに論述した。少人数制のおかげで同じゼミの仲間とはとても親しくなり、今でも近況を報告し互いの結婚を喜び合うほどの仲になった。
弁護士を志したのは、大学4年の時だ。就職活動でさまざまなキャリアを見聞きするうちに、「何かの資格を取得し、スペシャリストとして活動したい」と思うようになった。「私には何が向いているのだろう」。調べるうちに、弁護士の資格に興味が湧いた。数学や社会学などの授業を履修する中で特にのめり込んだのが、世界の経済を法的な視点で捉える「経済法」の授業だった。もっと学んでみたいと思っていた。しかし、経済学専攻の私が法曹の道を目指して、果たして司法試験に合格することはできるのか——。この大胆なチャレンジを応援してくれたのが、白砂先生だ。先生が文章力を褒めてくださったこと、進学を薦めてくださったことが背中を後押しし、弁護士資格の最初の関門であるロースクール受験に挑むことができたのだった。
東京女子大学の魅力は、この自由さにあると思う。自由さとは、規範を逸脱するといった自由さではなく、個々の学生が自律的に自分の好きなことに取り組んでよいという寛容な自由さだ。リベラルアーツ教育の下で出合った法学。少人数教育だからこそ出会えた、私のことを深く理解してくださるゼミの先生。そして、互いに切磋琢磨できる仲間たち。こうした出合いがなければ、今の私はなかったと心から思う。
東京女子大学に入学した頃は、まさかこの仕事に就くとは思ってもみなかった。華やかなイメージのある金融業界への漠然とした憧れから、経済学を専攻。東アジア経済を専門とする白砂堤津耶先生のゼミに在籍し、卒業論文では、紀伊国屋文左衛門という、帆船貿易で財を成した和歌山県出身の豪商をテーマに論述した。少人数制のおかげで同じゼミの仲間とはとても親しくなり、今でも近況を報告し互いの結婚を喜び合うほどの仲になった。
弁護士を志したのは、大学4年の時だ。就職活動でさまざまなキャリアを見聞きするうちに、「何かの資格を取得し、スペシャリストとして活動したい」と思うようになった。「私には何が向いているのだろう」。調べるうちに、弁護士の資格に興味が湧いた。数学や社会学などの授業を履修する中で特にのめり込んだのが、世界の経済を法的な視点で捉える「経済法」の授業だった。もっと学んでみたいと思っていた。しかし、経済学専攻の私が法曹の道を目指して、果たして司法試験に合格することはできるのか——。この大胆なチャレンジを応援してくれたのが、白砂先生だ。先生が文章力を褒めてくださったこと、進学を薦めてくださったことが背中を後押しし、弁護士資格の最初の関門であるロースクール受験に挑むことができたのだった。
東京女子大学の魅力は、この自由さにあると思う。自由さとは、規範を逸脱するといった自由さではなく、個々の学生が自律的に自分の好きなことに取り組んでよいという寛容な自由さだ。リベラルアーツ教育の下で出合った法学。少人数教育だからこそ出会えた、私のことを深く理解してくださるゼミの先生。そして、互いに切磋琢磨できる仲間たち。こうした出合いがなければ、今の私はなかったと心から思う。
依頼者に丁寧に向き合い期待に応えられる弁護士を目指して
現在は、都内の法律事務所に所属し、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、法令や社内規定違反といった、企業内部で起こるトラブルの解決や未然防止に携わっている。依頼者の立場に立ち、「法的に守られるべき利益は何か」を模索し、依頼者の正当な権利を擁護して紛争を解決するのが弁護士の仕事だ。そのためには、裁判で勝つことを目指すのか、和解を成立させるのかなど、依頼者の意向を丁寧に汲み取る必要がある。依頼者が企業の場合は関係者も多くなるため、さまざまな人の意向を聞いて、調整するのは困難も多い。だがその分、依頼者から感謝された時の達成感は格別だ。
これからも私は、法曹の道を究めていくのだろう。目の前の依頼者に丁寧に向き合い、一つひとつの仕事を大事にすることを通して、法のスペシャリストとして着実に成長していきたいと思っている。
これからも私は、法曹の道を究めていくのだろう。目の前の依頼者に丁寧に向き合い、一つひとつの仕事を大事にすることを通して、法のスペシャリストとして着実に成長していきたいと思っている。
プロフィール
東京都出身。卒業後、都内法律事務所で金融関係、民事関係、刑事関係などの訴訟や契約などを担当。その後、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業に入所。ハラスメント問題やコンプライアンス違反などに関する調査業務を担当している。