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東京女子大学

ストーリー

[在学生]

生きづらさを感じる人の視野を広げるPRパーソンを目指して

心理・コミュニケーション学科コミュニケーション専攻4年<取材時の学年>静岡県立金谷高等学校 出身

ネット依存の経験から
「メディアと心理」について関心を抱く

自分の可能性をあきらめたり、自分らしく生きられないと感じたりと、なんらかの「生きづらさ」を抱えている人たちはたくさんいる。かつての私がそうだったように。

中学校の時に、家庭環境などから生きづらさを感じ、ネット依存になって学校を休みがちになった。高校卒業後は専門学校に入学して社会学を専攻。勉強するうちに、ネット依存になった経験から「メディアと心理」について関心を持ち、より実証的な研究をしたいと思い始めた。東京女子大学に3年次編入したのは、その領域の最前線で研究している橋元良明教授が在籍されていたからだ。

ゼミでは、メディアと心理について多角的に学んだ。卒業論文のテーマは「コロナ禍の長期化が大学生の心理に与える影響」。東京女子大学以外の都内5大学に対して調査を実施し、新型コロナウイルス感染症をどう恐れているのか、利用しているメディアとの関係性などを明らかにするというもの。700以上の回答が集まり、「社会調査にもとづく実証研究」をもとに論文を執筆できたことは、前向きに取り組むことから生まれるやりがいと自信をもたらしてくれたと思う。

キャリア・センターが導いてくれた
さまざまな女性との出会い

編入してよかったことは、ゼミ以外にもいろいろある。「コミュニケーションと女性のキャリア」という授業では、女性や障がい者など、働く上でハンディキャップを持つ人が自分らしいキャリアを積んでいくにはどうすればいいか、学びを深めることができた。

女性のキャリアについてもっと学びを深めたい、将来は誰かの「生きづらさ」に関わる仕事に就きたいと考えていた私の期待を受けとめてくれたのは、大学のキャリア・センターだ。

3年次の夏、キャリア・センターを通して、東京女子大学の卒業生が理事を務めている「ハナラボ」というNPOを知った。社会で活躍する女性社会人へのインタビューや交流を通し、女子学生のキャリア選択の幅を広げる活動をしているNPOだ。私は、その年の10月から、広報職の学生スタッフとして活動を始めた。

ハナラボでは、さまざまな社会課題に挑戦する女性たちに出会った。社会起業家のようにまったく新しい道を切り拓く女性もいれば、所属する組織や地域で新しい道を拓いていく女性もいる。私が「生きづらい」と感じていた社会で、それぞれの人生を主体的に、創造的に生きている女性たち。さまざまなタイプの女性がいて、十人十色、ありのままに自分のリーダーシップを発揮している女性たちを知り、私は思った。

「私も自分らしい働き方を積極的に探していきたい。自分の力で未来を切り拓いていきたい」

受け身だった自分自身の人生に、私はいつの間にか前を向いて踏み出せるようになっていたのだ。

ここで学んだすべてを糧に
これからの人生を主体的に歩み続ける

NPOで広報職を経験したこと、そして、キャリア・センターが主催する「就活ゼミ」でPR業界を知り、PR会社でのインターンシップに挑戦したことは、卒業後のキャリアを決める決定要因になった。

私はPR業界に絞って就活に臨んだ。「就活ゼミ」では積極的に周りの人にも協力をしてもらい、エントリーシートの作成や面接練習を行ったり、グループワークにも熱心に参加したりした。その結果あって、第一希望のPR会社から内定をいただくことができた。

PRは、さまざまな社会課題、人々が持つ潜在的な関心を汲んで、世の中に新たな機運をつくり出すことができる仕事だ。自分がメディアの力に影響を受けたように、メディアの力は人々の心理に大きな影響を与える。その力をうまく使えば、「生きづらさ」を感じている多くの人に、その視野を広げる問題提起もできるはずだ。

東京女子大学は私にたくさんの気づきを与えてくれた。挑戦するきっかけを与えてもらい、主体的に頑張る人の味方であり続けてくれた。授業の中でも主体性を育てる場がたくさんあり、自分の意見を持ち、議論し合う大切さを教えてくれた。受け身だった自分が積極的になれたのは、間違いなく、東京女子大学の雰囲気やカリキュラムのおかげだ。そして、さまざまな授業を通じて、ジェンダー平等への関心やハンディキャップを持つ人への視座、社会学的な視野も広げてくれた。

私はここで学んだすべてを糧にして、これからの人生を主体的に歩み続けたい。そして、社会に希望を提示していくPRパーソンになるのが、私の目標だ。