緑豊かなキャンパスと
分野を問わず学べる環境に惹かれて
東京女子大学を知ったのは、親戚の一人に卒業生がいたからだ。「本当にいい大学だから」。そう彼女が語る大学は、どんな所なんだろう。気になって調べた私が最初に惹かれたのは、緑に包まれたキャンパスの美しさ。次いで、分野を限定せず幅広く学べるリベラルアーツ教育に興味が湧いた。
もともと子どもの頃から本を読むことが好きだった。大学では日本文学を専門的に学んでみたい。でも、好奇心旺盛な性格ゆえに、それだけに絞りたくない自分もいる。そんな欲張りな私にはぴったりかもしれない——。まるで導かれるように、この大学の門をくぐった。
もともと子どもの頃から本を読むことが好きだった。大学では日本文学を専門的に学んでみたい。でも、好奇心旺盛な性格ゆえに、それだけに絞りたくない自分もいる。そんな欲張りな私にはぴったりかもしれない——。まるで導かれるように、この大学の門をくぐった。
哲学からプログラミングまで
好奇心の赴くままに学びを深める
その直感は正しかったと、心から思う。学問の垣根のない自由な学びは、幾つもの新しい世界への扉を開いてくれた。どんな分野も学べば学ぶほど面白く、本棚には以前はなかった種類の本がたくさん並ぶようになった。
多岐にわたる分野の科目を履修する中で、特にのめり込んだのが哲学だ。「人と深い話をするのが好きだから」。きっかけはそんなささいなものだったけれど、今では哲学専攻と間違われるくらい多くの授業を受けている。原典講読に必要なギリシア語も学び、美術館で目にする宗教画に書かれた文字が読めるようになったのはちょっとした自慢だ。
3年次からは、プログラミングの授業も受けている。就職活動で業界研究をする中で、成長著しいIT業界に関心を持ったからだ。文理を問わず、「学びたい」という意欲さえあれば、いつからでも学べる環境。それは知的好奇心を満たしてくれるだけでなく、仕事や人生の選択肢も増やしてくれると思う。
そして、「広く」学んだからこそ、専門を「深く」掘り下げることができたのもうれしい驚きだった。
例えば、私は幼い頃から怪談を愛読しており、『四谷怪談』や『日本霊異記』といった日本のホラーの原点といえる作品を数多く輩出した近世文学のゼミに所属している。約200年前の作品から現代の作品に至るまで、日本のホラーは海外ホラーとは異なる独特のじめっとした不気味な雰囲気がある。だからこそ多くの人を魅了し続けているわけだが、民俗学や理系科目など他分野の授業を受けていく中で、ふと思った。「この違いは、日本の気候や土地、習俗と関係があるかもしれない」。
それはまさに視野を広げたからこそ、得られた視点だった。これから取り組む卒業論文では、この点に着目して論じたいと考えている。点と点が結びつき、思いがけず学びがつながる瞬間。それこそが、リベラルアーツの醍醐味だと思う。
多岐にわたる分野の科目を履修する中で、特にのめり込んだのが哲学だ。「人と深い話をするのが好きだから」。きっかけはそんなささいなものだったけれど、今では哲学専攻と間違われるくらい多くの授業を受けている。原典講読に必要なギリシア語も学び、美術館で目にする宗教画に書かれた文字が読めるようになったのはちょっとした自慢だ。
3年次からは、プログラミングの授業も受けている。就職活動で業界研究をする中で、成長著しいIT業界に関心を持ったからだ。文理を問わず、「学びたい」という意欲さえあれば、いつからでも学べる環境。それは知的好奇心を満たしてくれるだけでなく、仕事や人生の選択肢も増やしてくれると思う。
そして、「広く」学んだからこそ、専門を「深く」掘り下げることができたのもうれしい驚きだった。
例えば、私は幼い頃から怪談を愛読しており、『四谷怪談』や『日本霊異記』といった日本のホラーの原点といえる作品を数多く輩出した近世文学のゼミに所属している。約200年前の作品から現代の作品に至るまで、日本のホラーは海外ホラーとは異なる独特のじめっとした不気味な雰囲気がある。だからこそ多くの人を魅了し続けているわけだが、民俗学や理系科目など他分野の授業を受けていく中で、ふと思った。「この違いは、日本の気候や土地、習俗と関係があるかもしれない」。
それはまさに視野を広げたからこそ、得られた視点だった。これから取り組む卒業論文では、この点に着目して論じたいと考えている。点と点が結びつき、思いがけず学びがつながる瞬間。それこそが、リベラルアーツの醍醐味だと思う。
VERA祭の実行委員として奔走する中で
見えてきた未来への指針
もう一つ、大学生活を語る上で欠かせないのが、大学祭(VERA祭)実行委員の活動だ。中高でも文化祭の実行委員を務め、「大学でも必ずやろう」と決めていた。1年次は、「Dance Festival」というステージ企画を担当した。コロナ禍への不安を抱えて入学してから、初めて経験する大規模イベント。無事2日間を終えた時には、感激で胸がいっぱいになったのを覚えている。
3年次からは、同期の推薦で委員長に。約280名のスタッフを束ねる立場になり、実行委員のメンバー、学内団体、大学職員や外部の業者の方など、関わる人数が大幅に増えた。意見がぶつかった際に間に入ったり、時にはシビアに要望を出したり。さまざまな人々と接する毎日は私を大きく成長させ、柔軟なコミュニケーション力が鍛えられたと思う。
「委員のために、委員長がいる」。前任者から言われた言葉を胸に、「委員ファースト」も徹底している。何カ月も前から準備に奔走するため、実行委員の活動は多忙を極める。でも、委員たちにはそれ以外の活動や勉強にも力を注いでほしいから、会議の効率化を図るなど、負担を減らすための細かな改善を続けてきた。
チームを率いる責任、時間に追われる準備、本番の慌ただしさとトラブル対応。大変なことはたくさんあるけれど、それすら楽しんでいる自分がいる。何よりも、訪れた人々の喜ぶ顔を目にした瞬間に、苦労が全て報われる気がするから不思議だ。
そんな毎日の中で、いつしか思うようになった。「自分は、運営やマネジメントに向いているかもしれない」。興味の幅が広いため業界はまだ絞れていないけれど、この大学で見つけた自分の長所を生かせる仕事を志望している。
日々の学びも、実行委員の活動も、読書をはじめとした趣味も。東京女子大学で私の世界は一気に広がり、その全てが私を形作った。視野を大きく広げた経験とイベント運営で培った力を糧に、チームのために、社会に生きる誰かのために、力を尽くせる人間でありたいと思う。
3年次からは、同期の推薦で委員長に。約280名のスタッフを束ねる立場になり、実行委員のメンバー、学内団体、大学職員や外部の業者の方など、関わる人数が大幅に増えた。意見がぶつかった際に間に入ったり、時にはシビアに要望を出したり。さまざまな人々と接する毎日は私を大きく成長させ、柔軟なコミュニケーション力が鍛えられたと思う。
「委員のために、委員長がいる」。前任者から言われた言葉を胸に、「委員ファースト」も徹底している。何カ月も前から準備に奔走するため、実行委員の活動は多忙を極める。でも、委員たちにはそれ以外の活動や勉強にも力を注いでほしいから、会議の効率化を図るなど、負担を減らすための細かな改善を続けてきた。
チームを率いる責任、時間に追われる準備、本番の慌ただしさとトラブル対応。大変なことはたくさんあるけれど、それすら楽しんでいる自分がいる。何よりも、訪れた人々の喜ぶ顔を目にした瞬間に、苦労が全て報われる気がするから不思議だ。
そんな毎日の中で、いつしか思うようになった。「自分は、運営やマネジメントに向いているかもしれない」。興味の幅が広いため業界はまだ絞れていないけれど、この大学で見つけた自分の長所を生かせる仕事を志望している。
日々の学びも、実行委員の活動も、読書をはじめとした趣味も。東京女子大学で私の世界は一気に広がり、その全てが私を形作った。視野を大きく広げた経験とイベント運営で培った力を糧に、チームのために、社会に生きる誰かのために、力を尽くせる人間でありたいと思う。