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東京女子大学

ストーリー

[在学生]

好奇心が導いてくれた自分らしい「学び」と「未来」

国際社会学科コミュニティ構想専攻4年<取材時の学年>茨城県立牛久栄進高等学校 出身

社会問題をもっと深く学びたい。
1年次のゼミをきっかけに転学科を決意

東京女子大学の授業は、まるで魔法のようだと思う。聞いているうちに、その面白さに魅了される。どんな分野も、もっと深く知りたくなる。夢中で学んだ先には、入学時には想像もつかなかった新しい道が開けていた。

専門的に勉強したい分野が定まらなかった私は、文系・理系のいずれかを選ばないといけない日本の教育に、どこか違和感を覚えていた。文理を問わず学べる東京女子大学なら、自分の可能性の芽を潰さずに済むかもしれない。そんな予感とともに、この大学の門をくぐった。

国際英語学科を選んだのは、漠然と「将来に幅広く生かすなら英語だろう」と思ったから。けれど、1年次のゼミで転機は訪れた。

初年度のゼミは指定されたクラスに参加する形式で、私は時事や社会問題を英語で学ぶゼミに入ることになった。そこでジェンダーなどの問題に触れる中で、こうしたテーマそのものに強い関心を抱いたのだ。

社会問題について掘り下げて学んでみたい。それに、研究を通して自分にも何かできることがあるかもしれない——。そんな探求心と使命感に突き動かされた私は、2年次から転学科を決意。学びの対象が幅広い国際社会学科コミュニティ構想専攻を、新たな挑戦の場に選んだ。

気仙沼市での拠点実習を手がかりに
環境教育の未来を探る

新しい専攻にすぐになじむことができたのは、少人数ならではの、先生によるきめ細かな配慮と手厚いサポートがあったからだと思う。社会の多様な側面に目を向けて学ぶ中で、特に惹かれたのは環境学だ。

地元の茨城県つくば市は環境教育が盛んな地域で、小さい頃からさまざまな環境問題について理解を深めてきた。けれど、こうした教育は全国的にはまだまだ当たり前ではない。だからこそ、これまで受けた教育を振り返り、今後の発展のために何が必要かを考えてみたいと思ったのだ。

コミュニティ構想専攻の特色の一つに、学生自らが計画する拠点実習、いわゆるフィールドワークがある。私は環境教育に力を入れている地域に行きたいと思い、国が推進する「ふるさとワーキングホリデー」という制度を利用し、宮城県気仙沼市で調査を実施。職場体験をする傍ら、教育委員会や地域住民にインタビューを行い、生の声を通して環境教育の現状を知ることができた。

つくば市と気仙沼市を比較して感じたのは、「両市とも地域の資源を十分に活用しきれていない」ということ。「環境」は土地ごとに違うからこそ、同じ環境教育を一律に展開するのではなく、もっと地域ならではの特性を生かすべきではないだろうか。卒業論文では、この視点を深掘りし、環境教育の発展に向けた新たな方向性を示したいと思っている。

1通のメールからつながった縁。
いつかは金融教育に携わりたい

思いがけず心をつかまれたのは、専攻の授業だけにとどまらない。コロナ禍で不安を感じていた入学当初や、就職活動で情報の波にのまれそうな時に心の支えになったキリスト教の科目。転学科以降も学び続けた英語の科目。理系の観点から自然環境にアプローチする科目、就職活動に役立った経済系の科目。

どの分野の先生も、どんどん学びたくなるようなトリガーを授業内に散りばめ、学生の好奇心や疑問に全力で応えてくださった。一つの授業を受けるたび、私の世界は大きく、そして豊かに広がっていった。

更に、そうして芽生えた興味を深められる講座やイベントが充実している点も、東京女子大学の大きな魅力だと感じている。まるで「情報のシャワー」のように日々発信される情報の中から、自分の興味に合ったものを選び、語学やジェンダー、就職活動に関するイベントによく参加していた。

志望業界を固める決め手になったのも、キャリアセンターからの1通のメールだった。そこに掲載されていたキャリアプログラムに参加し、東京証券取引所を見学。電光掲示板で回る株価を目にした時、「これが天職かもしれない」と直感したのだ。

春からは、グローバルに展開する金融系の企業で働く。まずは目の前の業務に集中しつつ、環境教育に向き合ってきた経験を生かし、いつかは金融教育も手がけてみたい。金融リテラシーの格差が広がる中で、生きていく上で欠かせないお金や金融の知識を伝える、架け橋のような存在になれたらと思う。

心から熱中できる分野に出合えたのも、やりがいを感じる仕事を見つけられたのも、全てこの大学がきっかけを与えてくれたから。アンテナを張っていれば、好奇心の翼を広げれば、次々と道が開けてゆく。卒業が近付く今、その得がたい環境にとても感謝している。