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東京女子大学

ストーリー

[在学生]

複眼的に現代の社会問題を捉えサステナブルな社会づくりに貢献したい

国際社会学科国際関係専攻3年<取材時の学年>千葉県立佐倉高等学校 出身

世界観を変えてくれた
リベラルアーツの学び

高校時代、授業の一環で、国連が定めた持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)について学んだ。貧困や女性の教育など、国際社会の問題をもっと専門的に学んでみたい。そんな思いを抱きながら、高校3年生の夏、東京女子大学のオープンキャンパスに参加した。明るく落ち着いた雰囲気に「ここは自分に合っている」と直感。自分が学びたい分野の専攻がある。「この大学に行きたい」と第一志望校に選んだ。

入学後はコロナ禍の影響で、授業のほとんどがオンライン。最初は残念に思っていたけれど、それを忘れさせてくれたのは、授業の質の高さだった。先生たちはその分野のプロフェッショナル。1聞けば100返ってくるほど知見が深く、一人ひとりの興味に丁寧に寄り添ってくれる。少人数制で周囲の学生たちもみんな意欲が高い。常に挑戦心と向上心を持ち、何事も一所懸命に取り組む。「本当に質の高い学びができるな」と、毎日たくさんの刺激を受けながら授業に臨むことができた。

そんな中、私の価値観を変えてくれた学びの一つが、女性学だ。
東京女子大学では、リベラルアーツ教育の一環で、女性学についての授業を履修するのが必修になっている。SDGsや国際的な問題として、女性への暴力や搾取が掲げられることは多く、テーマにも関心があった。
でも、授業で学んだ女性学は、そんなどこか遠い途上国の話ではなかった。まさに自分自身のことだったのだ。

私は母親が専業主婦の家庭で育ち、家に母がいるのが当たり前だった。そこに疑問を持ったこともなかった。しかし、日本の家族の形態、社会に根付く性的役割分担について改めて問うていくと、当たり前だと思っていた自分の感覚に、いかに偏ったジェンダー観が潜んでいたのかということに、改めて気付かされたのだ。

自分の視野が一気に広がった。そして、もっと学びたい、と強く思った。
東京女子大学が掲げるリベラルアーツ教育の良さは、価値観を覆されるような、そうした思いがけない出会いがあるところだと思う。

留学と海外でのインターン、
国連主催のシンポジウムにも参加して広がった
社会問題への視野

大学2年次の終了後、私は1年間の休学をし、カナダに留学をした。半年間はカレッジで勉強し、半年間は学びを生かしてインターンをするというプログラムだった。
カナダは移民の国だ。インターン先にはフィリピン、インド、オーストラリア、メキシコ、ベトナムなど、実に多様なルーツを持つ人が働いていた。休憩時間には自分たちの文化について語り合う。まさにダイバーシティに富むな職場だった。

留学中は、LGBTQ+当事者たちによる大規模なパレードにも遭遇。LGBTQ+に対する差別や偏見に反対し、セクシュアリティやジェンダーの多様性を祝う「プライドパレード」というもので、たくさんの当事者たちが、自分を誇り高く表現している姿に感動した。
多様なルーツやジェンダーを認め合って生きているコミュニティは、本当に居心地が良い。日本も早く、多様性を尊重し、誰もが堂々と自己表現できるオープンな社会になってほしいと強く思うようになった。

3年次の夏休みには、ゼミの教授の推薦で、タイ・バンコクで開催された国連主催のシンポジウムにも参加。世界中の学生たちが国連のカンファレンスセンターに集まり、SDGsについて議論した。そこには、本気で「世界を変えたい」と思い、実際に行動に移している同世代の若者たちがいた。動物愛護について熱く議論する若者に刺激され、将来、アニマルシェルターに関わりたいと考えるようになった。

複合的に問題を捉え
解決に導く社会人を目指して

いろいろな経験を積んでいる今、英語とジェンダーの学びを深めたいと考えて、アメリカの女性史・ジェンダーについて学ぶゼミに所属している。前期は第一次世界大戦中におけるアメリカの慰安婦問題について調べ、後期は慰安婦問題に対して政府が打ち出した政策、そこに存在した人種問題や階級問題を学んでいった。

意識しているのは、日本の文献だけでなく海外の文献を読むことだ。これまでの経験から、国際社会問題を考えるには多角的な思考力が大切だと強く実感しており、それを養う学びがこの大学にはあるからだ。4年次にはもっと挑戦的なテーマにチャレンジし、現代の国際社会におけるジェンダーや政治、社会を捉える視野を身に付けたいと思っている。

将来は、ここでの学びを生かし、多面的に問題を捉え、解決へ導いていく社会人になりたい。そして、自分にできる方法で、サステナブルな社会の実現に貢献していきたいと考えている。