ワークショップの狙いと概要
東京女子大学キャリア・センターでは、2021年8月・9月に、1・2年次生を対象とした課題解決型ワークショップ「ワタシゴトキャリアラボ」を実施しました。
当ワークショップは「ワタシ×シゴト」をテーマに、企業の実例に基づいたワークを行い、課題をチームでクリアすることで、より働くことをリアルに捉え、今後のキャリアを自分事(ワタシゴト)として思い描き、行動に繋げることを目的としています。
また、リーダーシップ育成や、社会人基礎力(※1)・プレゼンテーション力の向上等もねらいとしております。
更に今年はSDGs(※2)を共通するテーマとして、社会課題にも学生自ら目を向けられるよう構成しました。
今年度は、IT企業の株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)・不動産を軸に多事業展開するスターツコーポレーション株式会社(以下、スターツ)・製鉄プラントや海洋開発、ごみ処理施設など建設する日鉄エンジニアリング株式会社(以下、日鉄エンジニアリング)の3社にご協力いただき、オンラインによる5日間のプログラムを実施しました。55名の参加学生が各チーム4~5名の計12チームに分かれ、各社によるワークに取り組みました。
【1日目】前半では、協力企業3社の理解を深めるために会社説明を受けました。学生にとって馴染みのあるBtoC(※3)の不動産業界だけでなく、ITやインフラ設備の建設業界といったBtoB(※4)企業にも多くの学生が初めて触れることができ、異なる3社の特徴を知る機会となりました。また、アイスブレイクとしてチームメンバーの共通点を見つけるワークを行い、自グループに親しみました。
後半では、「私ってどんな人?」というテーマで新しい自分を見つけるために個人ワークとグループワークを行いました。個人ワークでは、性質チェックシートに自分でチェックし、自分が感じている強みや特徴を見つけました。それから、プログラム開始前に回答していたSPI性格検査の結果を受け取り、SPI性格検査と自分がチェックした性格検査を比較しました。類似点や相違点があることで新しい自分を発見して、グループメンバーに共有しました。ISIDよりSPI性格検査の解説を受け、自分自身について理解を深められたようでした。
【2日目】ISIDが担当し、「航空会社が取り組むべき本質的な課題」をグループで見つけるワークに取り組みました。学生たちは航空会社のユーザー(旅行者)目線になってアイデアを出し合い、発表しました。SNSやアプリを活用したプラン設計サービス、訪日観光客を想定した機内サービスなど各チーム「IT」の枠に捉われず柔軟に発想し、自分の意見を伝えて活発に取り組んでいる様子が見られました。最後には、実際にISIDが行ったサービスデザインの共有があり、自分たちのワークで取り入れられた点、思い至らなかった点を確認しました。どのグループもこのワークでシステムを作るだけではなく、ITサービスは、顧客のビジネスに真に寄り添うことで本質的な課題解決に繋がることを学びました。ワークではSDGs「産業や技術革新の基盤を作ろう」に触れ、IT×○○に何が入るかによってアプローチの可能性が無限に広がっていることにも気づきました。
【3日目】スターツが担当し、「誰もが世代を超えて永く住み続けられる街づくり」をチームごとに考え発表しました。多くの事業を展開するスターツグループのリソースを活かしながら、自分たちが選んだ街にどのような提案ができるのか考えました。(郊外の大型複合施設建設や免震・空き家のリフォーム、伝統的な商店街のクーポン券など)ハード面・ソフト面の両方から考え、SDGs「つくる責任つかう責任」も含まれた多面的な提案が行われました。この日のワークは事前に、選んだ街の人口構成や公共サービス等を各自で調べたうえで臨んでいました。その街への思い入れも強く、完成度を追求していたため、終了後は「達成感を得られた」という感想が多くありました。発表用のパワーポイントを短時間で作ることも初めて経験した人が多かったようです。
【4日目】日鉄エンジニアリングが担当し、同会社が行っているプロジェクトを体験するワークを行いました。ターゲットとしている「タイ」が抱える社会課題(廃棄物処理や電力供給の問題、地域経済格差etc.)を事前配布資料を基に見つけ、同社がどのようなソリューションを行えるかを考えました。資料以外にも各自の知識も活用し、タイのために行う事業の「メリット」がどのような効果をもたらすのかをしっかり話し合い発表していました。国家規模のスケールの大きいプロジェクトを体験するワークでしたが、事業そのものがSDGsと関連が深く、社員の方に自主的に質問し積極的に発表するなど、最終のワーク日として今までの成果が活かされていました。
【5日目】最終日は、4日間の学びを踏まえ改めて今とこれからの「ワタシ」について考えました。前半は、3社の人事社員によるパネルディスカッションを聞き、事前アンケートで多かった「学生と社会人の違い」や「今の仕事を選んでよかったと思えるときは?」などの質問に対して実体験から様々にお答えいただきました。学生時代の興味が仕事につながっていることもお話しいただき、これからの学生生活で更に知見を広げたい、多くの挑戦をしたいというモチベーションが向上していたようでした。
後半は、明日から新たなスタートが切れるように「ワタシ」に焦点を当てたワークを行いました。5日間一緒に取り組んできたチームメンバー同士でフィードバックしあうことで自己理解を深め、より伸ばしたい自分の特徴や自分が認知していなかった自分の良さに気が付くことができたようです。個人とグループの振り返りを通して、自分自身で5日間の成長を実感できたようでした。
当ワークショップは「ワタシ×シゴト」をテーマに、企業の実例に基づいたワークを行い、課題をチームでクリアすることで、より働くことをリアルに捉え、今後のキャリアを自分事(ワタシゴト)として思い描き、行動に繋げることを目的としています。
また、リーダーシップ育成や、社会人基礎力(※1)・プレゼンテーション力の向上等もねらいとしております。
更に今年はSDGs(※2)を共通するテーマとして、社会課題にも学生自ら目を向けられるよう構成しました。
今年度は、IT企業の株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)・不動産を軸に多事業展開するスターツコーポレーション株式会社(以下、スターツ)・製鉄プラントや海洋開発、ごみ処理施設など建設する日鉄エンジニアリング株式会社(以下、日鉄エンジニアリング)の3社にご協力いただき、オンラインによる5日間のプログラムを実施しました。55名の参加学生が各チーム4~5名の計12チームに分かれ、各社によるワークに取り組みました。
【1日目】前半では、協力企業3社の理解を深めるために会社説明を受けました。学生にとって馴染みのあるBtoC(※3)の不動産業界だけでなく、ITやインフラ設備の建設業界といったBtoB(※4)企業にも多くの学生が初めて触れることができ、異なる3社の特徴を知る機会となりました。また、アイスブレイクとしてチームメンバーの共通点を見つけるワークを行い、自グループに親しみました。
後半では、「私ってどんな人?」というテーマで新しい自分を見つけるために個人ワークとグループワークを行いました。個人ワークでは、性質チェックシートに自分でチェックし、自分が感じている強みや特徴を見つけました。それから、プログラム開始前に回答していたSPI性格検査の結果を受け取り、SPI性格検査と自分がチェックした性格検査を比較しました。類似点や相違点があることで新しい自分を発見して、グループメンバーに共有しました。ISIDよりSPI性格検査の解説を受け、自分自身について理解を深められたようでした。
【2日目】ISIDが担当し、「航空会社が取り組むべき本質的な課題」をグループで見つけるワークに取り組みました。学生たちは航空会社のユーザー(旅行者)目線になってアイデアを出し合い、発表しました。SNSやアプリを活用したプラン設計サービス、訪日観光客を想定した機内サービスなど各チーム「IT」の枠に捉われず柔軟に発想し、自分の意見を伝えて活発に取り組んでいる様子が見られました。最後には、実際にISIDが行ったサービスデザインの共有があり、自分たちのワークで取り入れられた点、思い至らなかった点を確認しました。どのグループもこのワークでシステムを作るだけではなく、ITサービスは、顧客のビジネスに真に寄り添うことで本質的な課題解決に繋がることを学びました。ワークではSDGs「産業や技術革新の基盤を作ろう」に触れ、IT×○○に何が入るかによってアプローチの可能性が無限に広がっていることにも気づきました。
【3日目】スターツが担当し、「誰もが世代を超えて永く住み続けられる街づくり」をチームごとに考え発表しました。多くの事業を展開するスターツグループのリソースを活かしながら、自分たちが選んだ街にどのような提案ができるのか考えました。(郊外の大型複合施設建設や免震・空き家のリフォーム、伝統的な商店街のクーポン券など)ハード面・ソフト面の両方から考え、SDGs「つくる責任つかう責任」も含まれた多面的な提案が行われました。この日のワークは事前に、選んだ街の人口構成や公共サービス等を各自で調べたうえで臨んでいました。その街への思い入れも強く、完成度を追求していたため、終了後は「達成感を得られた」という感想が多くありました。発表用のパワーポイントを短時間で作ることも初めて経験した人が多かったようです。
【4日目】日鉄エンジニアリングが担当し、同会社が行っているプロジェクトを体験するワークを行いました。ターゲットとしている「タイ」が抱える社会課題(廃棄物処理や電力供給の問題、地域経済格差etc.)を事前配布資料を基に見つけ、同社がどのようなソリューションを行えるかを考えました。資料以外にも各自の知識も活用し、タイのために行う事業の「メリット」がどのような効果をもたらすのかをしっかり話し合い発表していました。国家規模のスケールの大きいプロジェクトを体験するワークでしたが、事業そのものがSDGsと関連が深く、社員の方に自主的に質問し積極的に発表するなど、最終のワーク日として今までの成果が活かされていました。
【5日目】最終日は、4日間の学びを踏まえ改めて今とこれからの「ワタシ」について考えました。前半は、3社の人事社員によるパネルディスカッションを聞き、事前アンケートで多かった「学生と社会人の違い」や「今の仕事を選んでよかったと思えるときは?」などの質問に対して実体験から様々にお答えいただきました。学生時代の興味が仕事につながっていることもお話しいただき、これからの学生生活で更に知見を広げたい、多くの挑戦をしたいというモチベーションが向上していたようでした。
後半は、明日から新たなスタートが切れるように「ワタシ」に焦点を当てたワークを行いました。5日間一緒に取り組んできたチームメンバー同士でフィードバックしあうことで自己理解を深め、より伸ばしたい自分の特徴や自分が認知していなかった自分の良さに気が付くことができたようです。個人とグループの振り返りを通して、自分自身で5日間の成長を実感できたようでした。
学生の声(一部抜粋)
- 企業の方からお話を聞くだけではなく、実際にグループでアウトプットする機会が十分にとられていたり自己分析ができる機会にもなっていたりして、さまざまな方法で自分のキャリアについて考えられる機会になりました。チームでの活動が好きだということや、もっと顧客の方の近くでできる仕事を体験してみたいなど、今回の機会を経て次のステップや自分の好きなことが見つけられました。参加できて本当に良かったです。
- 自分の意見を伝えるのが苦手だったのが5日目に自分の意見を発表する際にすらすら言うことが出来たので話すことに少し自信がついた。なかなか先輩とも話す機会がないのでいろんな人の意見を行くことが出来て非常に貴重な経験だと思った。参加して良かったと思える5日間だった。
- 「コロナ禍でなかなか学生らしいことができないね」と社会人の方に言われることが多く、何もしていないまま就活にどう臨めばいいのか不安でした。今回のワタシゴトキャリアラボで自分を見つめなおしてみたり、人事の方の話を聞いていく中で自分がやりたいこと、好きなこと、今やっていることにもっと全力で臨んでみようと思いました。また、日々の生活の中で自分についてもっと考えてみようと思いました。
- 私はもともとグループワークに苦手意識があって、難しいと思っていたけれど、今回のグループのみんなは積極的に課題に取り組んでくれて、活発に意見交換ができることはとても楽しいし、グループの意見を完成させて、発表を終えられた時はとても達成感を感じたという心境の変化がありました。また、自分自身の知らない部分を知ることができたとても良い機会でした。本当に楽しかったです。
- 参加するまで知らなかった新たな「自分」をチームメンバーを通して見つけることができ、自分自身の強みを増やすことができました。全く見通しを立てることができていなかった自分のキャリアに関して、光が見えた気がします。
実施日・場所・参加者
ワークショップの成果について(アンケート結果)
ワタシゴトキャリアラボの満足度を教えてください
ワタシゴトキャリアラボを後輩に勧めたいと思いますか?
アンケート結果によると受講生の満足度は98%(大変満足+満足)、後輩にお勧めしたい度も96%(大変そう思う+そう思う)と高い評価を得ました。
社会人基礎力についての自己認識の変化
社会人基礎力(*1)で掲げられている項目をもとにアンケートを行った結果、ワークショップ参加前と参加後に「自信がある」と回答した数値に関して、ワークショップ参加前と参加後で、特に以下の項目において顕著な効果が見られました。
- 物事に進んで取り組む力(+24%)
- 現状を分析し目的や課題を明らかにする力(+24%)
- 自分の意見をわかりやすく伝える力(+22%)
- 相手の意見を丁寧に聴く力(+22%)
- 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力(+27%)