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東京女子大学

『学報』2018年度第2号NEWSより抜粋

第4回創立100周年記念展示「英学100年—新渡戸稲造と東京女子大学」展

 3月14日(水)〜5月30日(水)、本館新渡戸記念室で「英学100年—新渡戸稲造と東京女子大学」展を開催しました。本展示では、創立当時から現在に至るまでの本学の英学の歴史を、本学所蔵資料等の展示を通して紹介しました。延べ2,914名が来場し、幕末・明治初期の英語学習書や、新渡戸も親しんだとされる英和辞書などを熱心にご覧になる姿が見受けられました。また、今回の展示では、原田範行現代教養学部長(国際英語学科教授)の指導のもと、学生有志の協力を得て、展示物の作成や設営が行われました。
 来場者からは「日本の英学の最初期が生き生きと展示されていた」「懐かしい学生時代の風景がみられて嬉しかった」といった声が多く寄せられました。本学の英語教育の歴史を振り返り、次の100年に向けた発展を考える良い機会となりました。

比較文化研究所 主催 公開講演会
坂井 セシル氏講演
フランスから見る現代の日本文学—その光と影—

比較文化研究所長
人文学科日本文学専攻 教授 和田 博文


 2018年度の公開講演会は7月5日(木)に、本学講堂で開催されました。講師はヨーロッパにおける日本学の牽引者の一人で、パリ・ディドロ大学教授の坂井セシル氏。恵比寿にある日仏会館・フランス国立日本研究所の所長に、2年前から赴任していらっしゃるのを幸い、ご講演をお願いしました。
 19世紀末~20世紀前半の日本文学は、仏・英・独・露などの文学の影響下にありました。しかし現在では、世界文学をリードする中心性は、どのエリアにも存在していません。日本でも「日本」や「文学」という概念自体が、問い直しの対象として意識されてきました。多和田葉子や村上春樹のように、日本語と外国語を往還するなかで、作品を紡ぎ出す新たな展開も生まれています。
 坂井先生のお話は、国境や言語を越えて、日本文学がどこをどのように漂流しているのか、明らかにしようとするものでした。学生は大きな刺激を受けたようで、異文化性や翻訳、デジタル化やメディア、漫画と文学など、さまざまな問題系から、「日本」や「文学」を再考してみたいとアンケートに記しています。一般の来場者の方々も多く、講演後は質問者の列が続いていました。(わだ・ひろふみ)

女性学研究所主催 公開講演会
『占領の日常』に抗して~パレスチナ人女性の闘い

女性学研究所 准教授 中川 まり

 女性学研究所は6月28日(木)に、元アルクデゥス大学Insan女性学研究所長、人文学部開発学科長ファドワ・アルラバディ氏をお迎えし、2018年度公開講演会「『占領の日常』に抗して~パレスチナ人女性の闘い」を開催いたしました。講演では大阪大学松野明久教授によるパレスチナ情勢の解説、通訳もいただきました。在学生、卒業生や研究者など学内外より約140名のご参加がありました。家族とコミュニティーの絆を維持し、健康、教育、居住などに対する権利を求めるパレスチナ人女性たちの日々の闘いについて、現地の写真を見ながら知ることができました。東エルサレムを中心とした占領地の女性の実態が明らかにされ、講演後は活発な質疑応答も行われました。(なかがわ・まり)

東京女子大学学会 国際関係部会連続公開講演会
シリーズ「戦争・災害と人間」

 国際関係専攻が主催する学会国際関係部会では、2016年度から「戦争・災害と人間」という統一テーマのもと、2018年度前期までに10回の公開講演会を開催しました。そもそも戦争と災害は同じレベルの事象ではありませんが、被害者側の視点に立てば「戦争や災害によって多くの人命が失われ、傷つき、また難を免れたとしても心身にもたらされる傷は将来にわたって実に大きい」という共通性があります。その中で「いかにしたら人間性の尊厳を維持し尊重できるのか」をさまざまな視点で探っています。講演者は各分野の一線級の専門家で、例えば、斎木昭隆元外務事務次官、長有紀枝NGO難民を助ける会理事長、笹本潤「平和への権利国際キャンペーン」日本実行委員会事務局長(弁護士)、齋木尚子外務省元国際法局長など多彩な方々です。今秋には昨年度に続き、川内敏月UNHCR駐日事務所副代表が登壇されます。今後も講演予定は目白押しです。(学会委員・黒沢文貴)

研究者としての将来性を期待して
—2018年度川上貞子奨学金受給者決定—

 川上貞子奨学金は、本学卒業生故川上貞子氏のご遺贈による寄付に基づき、1955年に創設された。以後、各方面からのご寄付にも支えられ、研究を継続しようとする学業優秀な本学出身者に授与されてきた。今年度も、優れた研究者になることが期待される4名への授与を決定し、1人25万円の奨学金を授与した。