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東京女子大学

クリスマスメッセージ(『学報』2018年度第3号より)

クリスマスメッセージ「光あふれる季節」

大学宗教委員長
現代教養学部教授 共通教育(キリスト教)
佐野 正子


「その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。」(ヨハネによる福音書1章9節)
「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」(ヨハネによる福音書8章12節)

 数年前にタイ北部の山岳地帯を訪れた時、国境の町チェンライからいくつもの山を越えて、電気も水道もない山奥にあるアカ族の集落でホームステイをしました。日が暮れて全くの暗闇の中で1本のろうそくを立てて夕食をいただき、1本のろうそくを立てて床につきました。小さな1本のろうそくが燃え尽きると1寸先は闇という全くの闇に覆われた夜を過ごしました。たとえどんなに小さな光でも、火を灯すとその周りはふわりと明るくなり、光は闇の中でいっそう輝くことを実感しました。
 クリスマスは光あふれる季節です。クリスマス・ツリーが、暗闇の中で美しく輝いています。聖書では繰り返しキリストが「光」としてこの世界に来られたことを伝えています。クリスマスをこの時期にお祝いすることになったことも光と闇に関係しています。聖書にはキリストがいつお生まれになったのか日にちは記されていませんが、キリスト教の教会は、キリストがこの世の最も深い闇の中に「まことの光」としてお生まれになられ、光によって闇が押しやられていくことに想いを馳せるために、夜が一年で最も長い日である冬至を境にして夜が短くなっていくこの時期に、キリストの誕生をお祝いすることが相応しいことだと考えました。

(続きは『学報』本誌でご覧になれます) 

▲本館のイルミネーション