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東京女子大学

ストーリー

[教職員]

「パンダ」から国の成り立ちが見えてくる

東京女子大学 現代教養学部 国際社会学科 国際関係専攻 准教授 家永真幸

中国政治外交史の中でも、台湾問題を扱っています。台湾という島は日本に統治されたあと、第二次世界大戦後は中華民国の統治下に入ります。その後、大陸に中華人民共和国が成立すると、その政府も「台湾は中国の一部だ」と主張するようになりました。一方、台湾ではいまや大陸とは別に民主的な政治が行われています。台湾が国なのかそうでないのかという問題は、長らく東アジア国際政治の重要な論点となってきました。
この問題を考えるうえで私が着目したのが、中国を象徴する動物「パンダ」です。中国が国をあげて保護に励むこの動物は、台湾問題をめぐる外交にも利用されてきました。パンダが政治外交上どのように利用され、なぜ国のシンボルになったのかを解明することは、本来はあいまいな線引きにすぎない「国家」がどのように維持され、国際社会はどのように動いているのかを理解するために役立つと考え、研究を進めてきました。

中国とパンダに関する著書。『国宝の政治史ー「中国」の故宮とパンダ』では、「アジア経済研究所 第39回 発展途上国研究奨励賞」、「樫山奨学財団 第13回 樫山純三賞(学術書分野)」を受賞

研究キーワード 台湾政治 / 中国外交 / 国際文化論

家永真幸
東京女子大学 現代教養学部 国際社会学科 国際関係専攻 准教授 

第二次大戦後の台湾をめぐる国際政治について、中国の「パンダ外交」など文化的な側面に着目しながら研究。最近は「自由」や「人権」といった政治理念が果たしてきた役割を調査している。