教育課程の特色
「哲学・思想」、「美学・芸術学」、「倫理学・社会哲学」、「キリスト教学」を包括する4つの領域で考えられています。このようにして、哲学・思想文化の広範な分野をカヴァーし、本分野で学ぶ学生が、各自の研究課題に即した適切な指導を受けて独自の研究を進め、一定の学問的成果を挙げられることを目指しています。またそれとともに、専門研究を深める前提となる基礎教養をも重視し、学生は自らの研究課題に即した科目ばかりではなく、これに隣接した内容の科目をも履修することによって広い知識と視野を身につけることができるよう配慮しています。
基礎科目
「哲学・思想史研究」では、哲学・思想の歴史的流れを学び、個別研究の位置づけができるようにします。「哲学・思想文化研究」は、現代的な課題に即して哲学を展開します。「倫理・社会哲学研究」「美学・芸術学研究」は、それぞれの分野でのトピックに応じた問題を扱います。「キリスト教学研究」は、宗教思想について、とくにキリスト教の思想を学びます。
専門科目
「演習」は、古典的テキストを基礎に、基本的文献の読解を指導すると同時に、これにもとづいたディスカッションやレポートを通じて、学生各自が自らの思索を展開できるよう指導することを目指しています。これによって専攻共通科目の「論文指導演習」と併せ、研究の基礎を獲得させるとともに、学生各自が自己の力によって研究を進め、「修士論文」を完成するための能力を養成します。
カリキュラム
専任教員
修士論文タイトル
2022年度
- 演劇と言語-佐々木健一『せりふの構造』における考察-
- J.S.ミルの質的功利主義-快楽説的解釈と快楽の質-
- バタイユによるマネ論
- デイヴィッド・デイヴィスの芸術論研究
2019年度
- 自己とその同一性をめぐる哲学的考察
- 食における芸術的表現性についての考察—コースマイヤーの意味性を通じて—
- スピノザの無限知性について
2018年度
- 経験の多元性について—ウィリアム・ジェイムズにおける純粋経験の世界—
- レトリックに現れるフーコーの想像力—レーモン・ルーセルの文学を巡る哲学的言語論—
- 「芸術的なもの」と「美的なもの」に関する違いについて—バルーの「心理的距離」考察を中心に—
2016年度
- スピノザの第三種認識
- 自他の境界と共感について
- ミンコフスキーにおける「演劇的実現」についての考察 —レヴィナスの芸術論を援用して—
2015年度
- C.S.パースの記号論
修了後の進路
中学校・高等学校の教員、美術館や博物館の学芸員、書物・雑誌の編集者、著述家、翻訳者、大学の教員、研究所の研究者