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生涯発達臨床領域
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本領域は、生涯人間科学の実践的な研究に資する研究者および高度専門職を養成する。中でも、人間の一生涯にわたる臨床心理・発達心理学に関する学問研究の基盤のうえに、発達的な支援の技法と理論を開発・展開し、その方法論と理論に習熟するための教育を行う。他方、心理臨床や発達支援の現場で、支援の理論と方法論を深めていく。とくに、社会への実践・応用を重視する視点をもった研究者の養成に努め、臨床心理士等の資格保持者の質の高度化を目指す。その際、「認知社会適応」領域と、「共生社会開発」領域における自立支援の方法論と連動させ、現場と密接につながる支援技法を習得する。
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認知社会適応領域
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認知科学や社会心理学の成果および方法論に立脚して、認知機能や社会行動の特性を明らかにするための研究を行い、研究成果の社会への貢献と還元に十分な配慮をする。社会環境への適応とその援助の観点からも、十分に意義のある研究を推し進めることを目指す。本領域にとどまらず専攻内の他領域の方法論や研究成果を知悉していることが必要である。履修指導の際は、「生涯発達臨床」領域および「共生社会開発」領域で開講されている授業の積極的な履修を奨励する。
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共生社会開発領域
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共生社会開発にむけ、狭義の能力開発のみならず、より広い人間開発を研究対象とする。第一に、共生社会における公共政策実現に重要な自助努力と社会保障という枠組みを基礎としながら、公共政策の理念、政策運用の分析・評価、そして政策分析、計測の方法論などについて研究を行う。第二に、インフォーマルセクターとフォーマルセクターの連携により多様な人的資源をきめ細かく開発、配分、運用し、よき状態(well -being)としての福祉を達成するための制度、システムづくりについて研究を行う。第三に、社会・心理的な自立支援を必要とするセクターに属する人々へのエンパワーメントとソーシャルサポートの問題を検討する。
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カリキュラム
人間科学研究科共通科目
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人間科学特殊研究(比較文化)
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比較文化研究の立場から、一学問領域にとどまらない学際性を重視した議論展開をすすめ、新しい切り口から人間社会・文化の諸相を究明します。人間文化科学専攻、生涯人間科学専攻の2専攻にまたがる種々の学問分野において、それぞれどのような発想パターン、思考枠組みがみられ、それらの間にどのような対応関係、融合関係がありうるかを検討していきます。
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人間科学特殊研究(比較文化)
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人間科学の各領域で専門的な研究を行なおうとする人々が、女性学・ジェンダ-研究の蓄積から学び、その視点を生かして各自の問題意識を深め、新たな研究を生み出す可能性についても検討できるよう、手がかりを提供することを目指しています。
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人間科学研究科 生涯人間科学専攻の授業科目
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生涯発達臨床領域
生涯臨床特殊研究 I、II -
生涯発達心理学的観点を活かした心理臨床を取り扱います。乳幼児から老年期までの各時期に優勢となる発達課題やその個人を取り巻く家族・社会・文化との相互作用を視野に入れつつ、有効な心理臨床的働きかけに関して学び、研究します。その際、実際の事例に即して検討していきます。さらに、クライエント中心療法とその発展した心理療法、家族や社会文化の要因を視野に入れた心理療法、および精神病理学についての理解を深め、実践と研究を行います。
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生涯発達臨床領域
生涯発達特殊研究 I、II -
人間の一生涯について、その発達の様相やメカニズムを、発達心理学の知見をもとに解明します。まず、人間の生涯発達全体について検討し、次に乳児期・幼児期・児童期に焦点を当て、生涯発達の理論とその研究について理解を深めます。さらに、生涯発達の中での青年期・成人期・中年期・老年期について検討し、生涯発達の理論とその研究について理解を深めます。また、子ども、成人および高齢者を対象に発達心理学の研究を行う際の、留意点や研究方法についても取り上げます。
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認知社会適応領域
認知行動特殊研究 I、II -
人間の行動における感覚・知覚・認知・記憶という情報処理的な側面を、認知心理学的・心理物理学的な方法論から考究します。参加者は基礎的で学術的な実証的・定量的な研究のみならず、実社会における具体的な課題、例えば文化による認知スタイルの違いや、高齢の人たちやロービジョンの人たちのためのユニバーサルデザインの工夫なども視野に入れ、自ら問題を再定義し解決していく研究開発の力量を身につけることを目的とします。
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認知社会適応領域
社会適応特殊研究 I、II -
人間と人間、環境と人間、環境と社会との関係、社会のなかにおけるコミュニケーションのありかた、異なる社会間の文化比較論的な検討など、対人関係、対社会関係、人間と環境との関係を、社会心理学の立場から講義し考究します。そのうえで、対人関係、社会的認知、環境認知、社会制度などからなる文化的プロセス、異文化コミュニケーションについてさらなる探究を行います。
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認知社会適応領域
社会調査法特殊研究 I、II -
社会調査法、特に統計調査の実習を行います。社会調査に関する統計学的知識を習得すること(多変量解析の基礎まで)、サンプリング法を理解し調査対象を適切に選べるようにすること、データの種類を考慮して分析目的に応じた調査票を作成すること、調査方法を習得し、博士論文研究計画への方法論的基礎を身につけることを目的とします。さらに、データアーカイブなどによるデータによる実習を行います。ここでは、社会調査データについて基本的な分析から多変量解析にいたるまで、的確な分析を行うための技法を習得することを目的とします。その上で、博士論文におけるデータ分析を着実に行う技術を身につけます。
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共生社会開発領域
公共政策特殊研究 I、II -
公共政策の現況を批判的に分析し、新しい公共政策のあり方について模索することは、共生社会開発の鍵となっているとも言えます。一方で、近代社会成立過程にまで立ち返り、公共政策の理念としての経済政策、社会計測の思想とその展開を総論的に考察します。他方で、構造転換の現状について、経済学の方法を用いて考察を行います。さらに、雇用や金融の制度・規制体制・行財政制度・福祉などの現代社会における公共政策のあり方について、各論的に検討します。経済政策思想の歴史的展開の諸相について、歴史や比較といった方法により考察するとともに、上記諸制度のあり方を焦点とし、公共経済政策について考察します。
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共生社会開発領域
人間開発特殊研究 I、II -
人間開発という場合、a) 人的資源としての能力・技能向上などを意味するスキル開発のような側面を重視する考え方と、b) 人間を中心に据えた開発を重視する、より総合的な考え方と2つあります。後者は GNPの成長を主な指標とする経済開発とは異なり、人間の福祉(well-being)の改善・上昇を重視します。この講義では、前者を一応視野に入れつつも、あくまでも後者の見地を根幹に据えながら、人間開発の基本理念や、議論の争点、研究の動向などについて、総論的な考察を行います。さらに、ジェンダー、セクシュアリティ、高齢化問題、国際的な格差などを各論的に考察し、応用的、政策的、各論的議論を通じて、福祉(well-being)実現のための人間形成、社会形成のあり方を総合的に考察します。
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共生社会開発領域
自立支援特殊研究 I、II -
グローバルレベルでのバリア・フリー化やNGO、NPOを活用したサポート・システムの構築によって高齢者支援や、女性を被害者とするドメスティック・バイオレンスやストーカーの被害者支援などが可能になります。また、コミュニティや行政からの具体的な支援のあり方の究明と同時に、その社会的問題解明のための制度論的な分析・検討なども行います。さらに要支援者についての諸問題に関して、国家や社会、地域コミュニティからの働きかけのあり方、必要な心身の自立支援のための方途を議論します。
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専任教員
論文指導演習担当者
生涯発達臨床領域
認知社会適応領域
共生社会開発領域
講義担当者
博士論文タイトル
2023年度
- 保育現場におけるタビストック方式乳幼児観察の応用に関する研究:子ども理解のリフレクションを中心として
- 自他認識の文化的多様性-文化神経科学による検証-
2022年度
- 触覚による感情コミュニケーション—音声および表情との比較—
2021年度
- 無戸籍児問題と女性たちの家族登録制度改革運動—2000年代以降における展開とその帰結
- 顔と声からの多感覚感情認知における文化差とその規定因に関する研究
2020年度
- 富田幸次郎研究-日米文化交流における役割-
- George MacDonald’s Shadow: Spiritual Progress in the Fairy Tales
2019年度
- 主婦を問い直した女性たちー投稿誌『わいふ/Wife』の軌跡にみる戦後フェミニズム運動の一断面ー
2018年度
- 文字の空間周波数特性と読みやすさ
2017年度
- 文化心理学的視座によるワーク・ライフ・バランスの検討-中高年期におけるスピルオーバーと健康の日米比較-
2015年度
- 「見守る」しつけ方略と子どもの他者理解
2013年度
- 子育て支援の新展開と家族の境界-「子育てひろば」をめぐる実践に関する社会学的考察-
2012年度
- 移住女性の労働・生活とエンパワーメント支援-東京で働くフィリピン出身女性を中心に-
2010年度
- 幸福感の文化的多様性-ミニマリズム幸福感尺度による検討-
2007年度
- 新潟県中越地震における被災者の意識と行動の変化に関する研究
育成したい人材像と修了後の進路
- 病院や企業等の現場で臨床心理士 、臨床発達心理士資格取得後の臨床家を指導できる人材など
- 臨床心理、発達心理の理論と実践に通じた研究者など
- 企業や大学等の研究の場で、現実の問題と接点をもちつつ、生活環境や職場環境の中で働く認知社会的能力を調査研究できるエキスパートなど
- 眼科外来においてロービジョンケアをEBMの手法で質的に向上できるORT、ユニバーサルデザインに視認性の点から寄与できるデザイナーや研究者・開発者、地域レベルで視覚障害の人たちへのサービスを改善できる人材
- 男女共同参画センター、国際協力センター、高齢化問題研究機関等において指導的役割を担う専門職など
- 共生の理念を知悉した企業人(高齢者介護・バリアフリー市場における商品開発など)
- 地方自治体、NGO、NPOにおけるドメスティック・バイオレンス相談スーパーバイザーおよび企業、大学等においてセクシャル・ハラスメント問題担当者の研鑚を行う専門職